研究概要 |
西表実験所・森林回復実験林の毎木調査と植生調査を行った。研究林分の択伐施業林、帯状伐施業林、西表実験林のデータベースを作成した。中国・湖南省、雲南省の天然更新、里山林に関する資料収集と現地踏査を行った。 調査結果]1.沖縄島北部照葉樹林の択伐施業林における根株の腐朽と生存状態、残存木の生育状態について、類型化による解析結果をまとめた。根株の腐朽状態はDBH、樹種及び生活形による違いがみられた。皆伐施業林と同様に、根株の腐朽と枯死率は経過年に伴って増大する傾向を示した。残存木の生育状態についても、7類型化によりDBH、樹種及び生活形の間で明らかな差異がみられた。これらの結果は"Decay of stumps and surviving state of residual trees 8 years post-selective logging in subtropical laurel forest in Okinawa, Japan"として論文発表した。2.皆伐施業林における萌芽個体と実生個体について解析した。立木本数は萌芽個体と実生個体ともほぼ同数であった。実生個体では6優占種がL型分布を示し、萌芽個体では5優占種ともL型分布ではなく樹高3-4mあるいは2-3mでピークを示したが、これは空間競争によると考察された。イタジイの基底面積は全ての種で優占した。これらの結果は"Stand structure 5 years after clear-cutting for a natural subtropical evergreen broad-leaved forest in northern Okinawa, Japan"として学会発表(日本林学会九州支部)し、論文印刷中(九州森林研究)である。3.西表実験林(伐採18年後)のデータベースを解析、論文執筆中である。
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