研究課題/領域番号 |
02J00214
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水垣 滋 北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | セシウム-137(^<137>Cs / 鉛-210(^<210>Pb) / 年代測定 / 細粒土砂 / 堆積速度 / 釧路湿原 / 浸食(侵食) / 河床低下 / セシウム-137(^<137>Cs) / 流域土砂動態 / 堆積履歴 / 土砂堆積 / 侵食 |
研究概要 |
本研究の目的は、湿原における過去約100年間の土砂堆積実態を明らかにし、1960年代を境に激変した流域の土地利用が土砂動態に与える影響を検討することである。本年度は、湿原内における堆積土砂の年代測定に基づいて土砂堆積量を推定し、昨年度までの流域土砂生産・流送・氾濫堆積過程の解析結果と併せて、土地利用変化に伴う流域土砂動態の変化実態を明らかにした。 【調査及び分析】昨年度に引き続き、河床縦横断測量及び浸食量モニタリングと湿原土壌の放射能(^<137>Cs、^<210>Pb)測定を実施した。また、粒度、有機物含有率及び土粒子密度も測定した。 【データ解析】湿原内の堆積速度は^<137>Cs及び^<210>Pb測定に基づく年代測定により推定した。また湿原堆積土砂量を推定するため、土層区分と^<137>Cs分析による1963年表土深との関係について検討した。さらに浸食量データより推定した年間土砂生産量を既存の土砂流送量データと比較検討した。 【本年度の成果】河川湿原流入部では、明渠排水路工事期間(1960〜70年代)に顕著な土砂堆積が認められ、工事以前(1940〜50年代)と以降(1980年代〜)の堆積速度は十数倍に増加していた。湿原流入部における1963年以降の微細土砂堆積量(約7500t/year)は、土砂流送量(約9900t/year)と同オーダーであり、湿原流入土砂の大部分が湿原流入部で氾濫堆積していることが明らかとなった。一方、中流域で1985〜1990年以降に河床低下が進む流路直線化区間の微細土砂生産量は4400t/yearであり、土地利用開発後の新土砂生産源としての重要性が示された。さらに中流域氾濫原では土砂貯留量の減少が示唆された。以上から、流路直線化により中流域では微細土砂貯留量の減少と生産・流送量の増加がもたらされ、下流湿原内の堆積速度が大きく増加したものと考えられる。
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