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認知バイアスの適応的意義:不確実性低減戦略としての多数派同調傾向

研究課題

研究課題/領域番号 02J00426
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関北海道大学

研究代表者

中西 大輔  北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード多数派同調 / 均衡 / 進化シミュレーション / 認知バイアス / 適応
研究概要

本研究の目的は、これまで非合理的側面が強調されてきた「多数派同調」(Asch,1951)を、社会的情報処理における認知バイアスと捉え、その適応的機能を明らかにすることにある。認知バイアスの多くが外的環境への適応という点で個体の生存に有利に働くという適応的視点は、近年の認知研究の重要な視座となっている。本研究は、こうした適応的視点を社会的相互作用場面に拡張し、多数派同調傾向が、不確実環境下で適応的な行動を導く認知バイアスである可能性を検討する。
本年度は、社会的学習の有効性に関する進化ゲーム理論モデルを構築し、進化シミュレーションによってその性質を組織的に検討した。進化シミュレーションの結果、個人的な情報探索にコストがかかるときには、社会的情報のみに依存する者と、個人的学習も行い社会に情報を提供する者が一定比で均衡することと、その均衡比が情報探索コストの高低に応じて変動することが分かった。さらに、多数派の意見を重視する傾向(多数派同調バイアス)は、個人的学習のコストが高くなるほど低く調整されるという結果が得られた。また、この結果は実際の人間を用いた心理学実験でも同様に得られている。以上の結果は人々が社会的情報の妥当性に応じて情報獲得方略を調整する可能性を示しており、多数派同調傾向に適応的基盤が存在することを意味している。この研究成果に基づき、本年度は英語論文を1本、日本語論文を2本それぞれ執筆し、学会発表を2回(国内1回、海外1回)行っている。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] KAMEDA, Tatsuya: "Cost-benefit analysis of social/cultural learning in a non-stationary uncertain environment : An evolutionary simulation and an experiment with human subjects"Evolution and Human Behavior. 23(5). 373-393 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中西 大輔: "不確実性低減戦略としての社会的学習:適応論的アプローチ"心理学研究. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中西 大輔: "進化論からみた人間行動学[6]:文化の進化"言語. 31(7). 12-15 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2024-03-26  

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