研究課題/領域番号 |
02J00889
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田口 正和 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 対流圏-成層圏結合系 / 季節内・年々変動 / 成層圏突然昇温 / 北極振動 |
研究概要 |
理想化した対流圏-成層圏系の季節内及び年々変動とその力学を、簡略化した全球大気循環モデルを用いた数値実験により調べた。特に、最近関心の高まっている、対流圏の気候に対する成層圏の影響について、2つの方法で詳しく調べた。 ひとつは、対流圏-成層圏を含む全球モデルで、成層圏における熱的散逸を大きくすることにより成層圏の表現を劣化させたときの対流圏の応答を検討した。実験結果は、成層圏のありかたが、対流圏の気候に有意に影響することを示した。対流圏の気候応答は、観測事実とよく一致するように、成層圏が寒冷化したとき、地表気圧が高緯度で減少し、その空間構造はいわゆる北極振動によく射影することができる。波動-平均風相互作用に基づく力学的解析から、この成層圏の下方影響には、成層圏における波動ドラッグが下方に子午面循環を誘起するという、いわゆるダウンワードコントロールが少なくとも部分的には働いていることを示した。 もうひとつの方法では、標準設定のモデルの一万日積分で得られた多数の成層圏突然昇温をキーとしたコンポジット解析を行った。解析結果は、突然昇温の一般的な特徴、すなわち昇温前の惑星波の増幅や、昇温の兆候が対流圏にゆっくり伝播する様子が見られた。さらに力学的な解析では、昇温の前後で、惑星波分布やストームトラックの分布などで特徴付けられる対流圏循環の様子が異なることが分かった。昇温後の対流圏偏差は、昇温後にしか見られないことから、成層圏の変化に対する応答であると結論できた。
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