研究課題/領域番号 |
02J00928
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
百武 幸子 (小櫛 幸子) 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | AdS / CFT / ガウス-ボンネ項 / CFT対応 / ブラックホール / エントロピー / 重力理論 / 高温極限 / エネルギー / Bondi-Sachs質量 / ADM質量 / KBLの方法 / Einstein Gauss-Bonnet重力 / Ads / Friedman-Robertson-Walker方程式(FRW方程式) / 双対性 / log補正 / 有効ポテンシャル / 宇宙論 |
研究概要 |
本年度は、特に超重力理論における高次の微分補正項に注目して研究を行った。重力理論の高次の補正項はガウス-ボンネ(以降GBと略す)項として知られている。私はGB項を含めた場合にAdS/CFT対応が成り立つのかどうかということに興味を持ち、特にブラックホールのエネルギーやエントロピーに注目し、AdS/CFT対応がどのような場合に成り立つのかを確認した。AdS/CFT対応とは、場の量子論と重力理論の古典論の対応で、Anti-de Sitter(以降AdSと略す)時空を背景にした重力理論とそれより1つ低い次元の共形対称性を持つ場の理論(以降CFTと略す)の対応である。アインシュタイン重力理論の場合にはブラックホールのエントロピーはCFTにおけるエントロピーと対応していることがここ数年の研究で明らかにされているが、GB項を含む重力理論では、その対応は確認されていない。 GB項を含む重力理論のブラックホールのエントロピーは統計熱力学的手法を用いて求められており、その形は特徴的である。アインシュタイン重力理論ではブラックホールのエントロピーはブラックホールのホライズン上の表面積で与えられていたが、GB項を含む重力理論におけるブラックホールのエントロピーは、ホライズン上の表面積に比例していない。その表面積に比例していない項が、AdS/CFT対応においてどのように効いてくるのかを調べることは興味深い。既に多くの研究者がこの問題に焦点を当て、研究しており、既存の論文ではGB項をアインシュタイン重力理論に含めると、いかなる場合でもAdS/CFT対応は成り立たないという結論になっている。私はCFTの高温極限に注目し、その場合にのみAdS/CFT対応が成り立つという新たな結果が得られた。その結果を論文にまとめ現在、投稿中である。本研究はAdS/CFT対応の研究において更なる見解を与えるものと思われる。
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