研究課題/領域番号 |
02J01063
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
勝山 正則 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 水文過程 / Bedrock groundwater / Riparian zone / Hillslope zone / 空間スケール / 湿地 / トレーサー / 渓流水質 |
研究概要 |
風化花崗岩からなる山地源流域において,流域空間スケールの拡大に伴う水文過程および水文化学過程の変化を明らかにすることを目的に観測を行った。滋賀県南部に位置する桐生水文試験地内の源頭部小流域の降雨流出過程・渓流水質形成過程に対する流域の各部位(Hillslope zone, Riparian zone)の役割を考察した。その結果、Hillslope zoneとRiparian zoneは降雨中・降雨直後に土壌-基岩境界面上に発生する飽和側方流に加え、ほぼ年間を通じて存在する基岩内地下水によって結びついていることが明らかになった。これらの土層内および基岩内に存在する地下水は異なる化学性を持ち、この違いが流域末端部の地下水の濃度に鉛直方向の分布を生じさせる原因となった。また、渓流水質は流域末端部の表層地下水および下層地下水の混合によって決定され、流出時の地下水位の変動によって両者の混合比率が変化することで渓流水質の変動が生じることが明らかになった。この源頭部小流域を含む二次谷流域での観測から、他の源頭部小流域および二次谷流域の渓流水質も土壌由来の地下水と基岩由来の地下水の混合で決定され、流域間でその混合比率が異なることが示された。また、二次谷流域末端の渓流水質にはこの混合過程に加え、河道上に存在する湿地での酸化還元作用、および河道流下過程での有機物の分解過程などが影響することが明らかになった。森林流域が持つとされる水源涵養・水質浄化機能を正しく評価するうえで,これら流域構成要素における現象を正しく評価することが重要であるといえる.
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