研究課題/領域番号 |
02J01819
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 卓司 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 破壊伝播速度 / 微小地震 / 南アフリカ金鉱山 / 地震波放射エネルギー / 静的応力降下量 / 見かけ応力 / 地震波放射効率 / 破壊エネルギー / 地震モーメント / 応力降下量 / サブイベント |
研究概要 |
微小地震の震源パラメータは、地震のスケーリング則を明らかにし、微小地震と大地震の動的破壊過程の違いを明らかにする上で重要である。しかし、微小地震の高周波成分の観測が困難なため、微小地震の震源パラメータを精度良く決定することは困難である。この問題を克服するため、本研究では南アフリカ金鉱山内において、至近距離高サンプリングレートで観測された微小地震の波形データを解析した。 本研究では、0.0<M_L<1.4の28地震(震源距離200m以下)について静的応力降下量の解析を行った。その結果、静的応力降下量は0.71-29MPaと見積もられた。この値は大地震の静的応力降下量とほぼ同じである。次に、これら28イベントの見かけ応力を計算したところ、0.05-1MPaと求められた。これらの値もまた、大地震の見かけ応力とぼぼ同じ値である。 地震放射効率は破壊エネルギーと地震波放射エネルギーの和に占める地震波放射エネルギーの割合として定義される。静的応力降下量も見かけ応力もともに微小地震と大地震で違いが見られなかったことから、微小地震の地震波放射効率は大地震のそれと同じであることが示唆される。過去の研究から、地震波放射効率は破壊伝播速度の単調増加函数として表されることが分かっているため、静的応力降下量および見かけ応力の解析結果は、微小地震と大地震の破壊伝播速度はほぼ同じであることを示唆している。 このことを確かめるため、静的応力降下量および見かけ応力を解析した28地震のうち、規模の大きい5地震(0.8<M_L<1.4)について波形インバージョンを行い、破壊伝播速度を推定した。その結果、5地震とも破壊伝播速度がS波速度の65%以上であり、大地震の破壊伝播速度とほぼ同じ値であることが明らかになった。また、計算された見かけ応力と地震波放射効率から破壊エネルギーを見積もったところ、10^1-10^3J/m^2と求められた。これらの値は岩石実験から求められる破壊エネルギーの値と同じオーダーであり、破壊エネルギーが地震規模に依存することを明確に示している。 本研究より、微小地震の震源パラメータ(静的応力降下量、見かけ応力、破壊伝播速度、および地震波放射効率)は大地震のそれらと同じ値を持つことが明らかになった。この結果は、微小地震の動的破壊過程は、大地震のそれと大差なく、ほぼ同じであることを示している。
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