研究課題/領域番号 |
02J01843
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 祥子 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 神経発生学 / 小脳 / 小脳顆粒細胞 / 特異性 / 突然変異マウス / プルキンエ細胞 / Ptf1a / GABAergic neuron |
研究概要 |
cerebelless(cbll,昨年まではshoと表記)は我々のグループで偶然得られた運動失調と小脳形成不全の表現型を示す常染色体劣性遺伝の突然変異マウスである。 Adultのcbllでは小脳核は存在するが小脳皮質はほとんど形成されず、さらに小脳皮質の神経細胞に投射する橋核や下オリーブ核も無くなっていた。発生段階を追った解析により、橋核や下オリーブ核、小脳顆粒細胞は発生してくるが発生途上で脱落することが明らかになった。さらに免疫染色からcbllの小脳原基ではGABAergic neuronが全く産生されないことがわかった。このことからcbllの初めの表現型はプルキンエ細胞が産生されないことで、橋核などの脱落は各々の投射先を失ったための二次的なものと推察される。 連鎖解析によりcbllの原因遺伝子をクローニングしたところ、bHLH型転写因子のPtf1aであることがわかった。in situ hybridizationを行ったところ野生型マウスの小脳原基ではPtf1aは脳室帯に発現していたがcbllマウスでは発現がなくなっていた。しかしながらPtf1aは脳室帯の全ての細胞で発現しているのではなかった。そこでLineage traceを行ったところPtf1a発現細胞はGABAergic neuronに、Ptf1a非発現細胞はGlutamatergic neuronに分化していた。さらにPtf1aを大脳皮質の脳室帯(本来Glutamatergic neuronのみが産生される)に子宮内エレクトロポレーション法で導入したところ、Ptf1a発現細胞はGABA陽性であり、形態や移動様式もGABAergic neuronと同様であった。以上のことから、cbllの原因遺伝子Ptf1aはGABAergic neuronへの分化を決定するものであることが強く示唆された。
|