配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
研究概要 |
本研究の目的は,スケーラブル動画像符号化の組込み機器への効率的な実装手法の提案である.前年度までに於て,JPEG2000スケーラブル符号化/復号化を対象として,様々なシステム要求に対して最適な実装を容易かつ効率的に実現可能とするスケーラブルなデザインフレームワークの実現を目標とし,検討および実装/評価を行っている.本年度は,これまでに実装を行ったソフトウェアならびにハードウェア処理モジュールを組合せ,フレームワークの全体の構築を行い,「組込み向けJPEG2000符号化方式の実装法」と題した博士論文にまとめた.提案デザインフレームワークでは,アプリケーションの要求や設計時の制約条件に応じて,共通モジュールを選択的に利用することによって,最適なJPEG2000復号器/復号器/コーデックの実装を得ることができる. さらに,JPEG2000で各フレームを圧縮する動画像符号化方式であるMotion JPEG2000に関して,組込み機器での利用が見込まれる,低ビットレート符号化時における主観画質の向上手法を提案した.提案手法ではJPEG2000の持つ特長と人間の視覚特性を利用して,Motion JPEG2000の主観的画質を向上させる.JPEG2000は変換に離散ウェーブレット変換(DWT)を用いているために,符号化の過程で画像内の位置に応じて符号量の割り当てを制御することが容易となっている.人間の視覚特性は刺激の空間周波数,時間周波数に依存して特性が変化し,周波数が高いほど感度が低下する.提案する手法は,人間の視覚特性を利用して,時間周波数,空間周波数が高い領域に割り当てる符号量を減らし,それ以外の領域に割り当てる符号量を増やす.その結果,動画像全体の主観的画質を向上させることに成功した.
|