配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
コンピュータ将棋の開発では探索と評価関数が大きな2本の柱であるが,評価関数は従来各駒の玉との相対位置を点数化した「相対評価」が主流であった.だが相対評価には悪手であるにもかかわらず玉が自分の駒に接近してしまうなど重大な副作用がある.本稿ではこのような副作用のない「絶対評価」をメインにして相対評価の使用を大幅に制限する評価関数TACOSYSTEMを提案し,その実装方法を具体的な例を用いて示す.TACOSYSTEMを実装した我々の将棋プログラムTACOSは第14回世界コンピュータ将棋選手権で決勝入りを果たすという好成績を収めた. ゲーム木探索にとって水平線効果は最も厄介な問題で,特に水平線効果が出やすいゲームではその対策が不可欠である.将棋など持ち駒を使用するゲームでは明らかに損と断言できる水平線効果の指し手が存在するが,これまでその対策が論じられたことはなく現在も将棋プログラムで頻繁にみられる現象である.これを「強度の水平線効果」の指し手と呼び,ゲーム木探索においてこれを完全に除去する方法「SHEK (Strong Horizon Effect Killer)」を提案した.SHEKでは探索中の局面同士で生じる強度の水平線効果はもちろん,ルート局面以前の過去の局面とで生じる強度の水平線効果も指し手の履歴さえあれば完全に除去することが出来るが,計算コストはほとんどかからない.SHEKの概念と実装方法を紹介したのち,千日手問題等に適用する方法も提案し,将棋プログラムに実装してその効果を実証していく.
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