研究課題/領域番号 |
02J02531
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
久保田 真弓 岐阜大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アーバスキュラー菌根菌 / 宿主選択性 / 菌糸形態(Arum / Paris) / 科特異的プライマー / 属特異的プライマー / root compartment system |
研究概要 |
アーバスキュラー菌根(AM)菌の宿主選択性と菌糸形態決定要因を解明するため、以下のことを明らかにしてきた。 AM菌の植物根内における菌糸形態決定要因 これまでAM菌の植物根内における2つの菌糸形態(ArumとParisタイプ)は植物によって決定されるとされてきた。しかしながら、筆者らは、キュウリとトマトを森林土壌(土着のAM菌を含む)で栽培した根において、両タイプの菌糸形態を示すことを明らかにした。また、感染しているAM菌を科特異的プライマーを用いてPCR検出したところ、各植物からはいくつかの科にまたがったAM菌が検出された。AM菌の植物根内における菌糸形態は、植物の影響によるものだけでなく、AM菌自体あるいはそれらを取り巻く環境が関与している可能性を示した。また、植物には(1)AM菌に関係なく常に同じ菌糸形態を示すタイプと(2)AM菌の菌糸形態を反映するタイプの2つのタイプが存在することが示唆された。研究成果にこついては、学術雑誌Mycorrhizaに掲載予定である。 植生の異なる林土壌に存在するAM菌の宿主選択性 植生の異なる森林土壌からAM菌を含む土壌を採取し、キュウリ、トマトおよびリョウブを栽培した。それぞれにおける菌根形成率を調べ、感染しているAM菌を科特異的プライマーを用いてPCR検出した。AM菌の宿主選択性は土壌環境の違いによって影響を受けるものの、植物の影響を強く受けていることが明らかとなった。研究成果については、学術雑誌Mycoscienceに掲載予定である。 AM菌の宿主選択性に関わる要因 植物根からの滲出物がAM菌の感染に及ぼす影響を調べた。AM菌に感染していないキュウリとニンジン幼苗からそれぞれ根の滲出物を抽出し、AM菌を接種したキュウリとニンジンにそれぞれ処理した。その結果、キュウリの根滲出物を処理したニンジンとニンジンの根滲出物を処理したキュウリにおいてそれぞれ有意に感染率が低下した。また、AM菌の属特異的プライマーを用いてPCRを行い、それぞれの根に感染するAM菌のタイプを調べたところ、キュウリの根滲出物を処理したニンジンとニンジンの根滲出物を処理したキュウリにおいてGlomus属とAcaulospora属のAM菌の検出率がそれぞれ低下した。以上のことから、植物根からの滲出物はAM菌の感染に深く関与していると同時に、感染するAM菌のタイプを制御している可能性が示唆された。研究成果については、学術雑誌Journal of Oleo Scienceに掲載予定である。
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