研究課題/領域番号 |
02J03453
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 九州大学 (2003) 奈良先端科学技術大学院大学 (2002) |
研究代表者 |
塩見 泰史 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | クランプ / クランプローダー / PCNA / RFC / Chl12-RFC / DNA複製 / 娘染色体接着 / 分子生物学 / ゲノム情報 / チェックポイント / 染色体分配 |
研究概要 |
私は、真核生物の細胞周期進行に伴う様々なイベントに共通する反応機構と考えられる、クランプ・クランプローダー系に着目し研究を行ってきた。これまでに、チェックポイント応答経路で要求されるRad9-Hus1-Rad1(Rad9-1-1)複合体とRad17-RFC複合体を再構築・精製し、その解析からこれらの複合体がチェックポイントで機能するクランプ・クランプローダーとしての特性を持つことを明らかにした。そこで次の解析対象として、DNA複製後の娘染色体接着機構に関与する因子(Chl12)に着目し、この機構でのクランプ・クランプローダー系の役割を明らかにすることを目的として、ヒトChl12-RFC複合体の再構築を行い、その解析を行った。 Chl12はチェックポイント応答系のRad17と同様に、複製で機能するクランプローダー、RFCの4つの小さいサブユニット(RFCs2-5)と新規クランプローダー型複合体を形成することが示唆されてきた。そこで、昆虫細胞発現系を用いてヒトのChl12とRFCs2-5を共発現させ、クランプローダー型複合体、Chl12-RFCを再構築・精製した。電子顕微鏡解析では、この複合体がRFCと同様の分子構造を形成していることを明らかにした。また、RFCと同様に複製のクランプであるPCNAと特異的に結合するが、チェックポイント応答系のクランプ、Rad9-1-1複合体とは結合しないことがわかった。さらにChl12-RFCは、プライマー/鋳型構造特異的なDNA結合活性と、DNA、PCNAによって促進されるATPase活性を有することがわかった。そこで、環状型DNAに対するPCNAローディング反応の解析を行ったところ、Chl12-RFCはRFCと同等のATP加水分解依存的なローディング活性を示した。以上より、Chl12-RFCが第二のPCNAローダーとして機能することを明らかにした。
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