研究課題/領域番号 |
02J03520
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
佐々木 加代子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員DC2
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | イトマキヒトデ / 未受精卵 / アポトーシス / カスパーゼ3 / MAPK / Mos / p38 MAPK / カスパーゼ-3 / p38MAPK |
研究概要 |
イトマキヒトデ成熟卵を受精させずに放置すると、ホルモン処理後9-12時間でカスパーゼ3が活性化し、細胞膜のブレッビングとアポトーシス小体の放出を経て死に至る。カスパーゼ37活性化にはMAPKが数時間活性化することが必要であるが、その分子経路の詳細は明らかではない。そこで本研究では、MAPKによるカスパーゼ3活性化の解明を目的とした。 まず、阻害剤処理により、アポトーシス誘導にはいつ頃までMAPKが活性化していればいいのか調べたところ、どの個体でもブレッビング開始の2時間程度前までMAPKの恒常的な活性が必要であった。 一方、MAPKはカスパーゼ3活性化とほぼ同時に不活性化されるが、その意義は明らかではなかった。そこで、MAPK依存期間後(ブレッビング開始の約2時間前)に、ヒトデ卵をU0126処理したところ、有意にブレッビング開始とカスパーゼ3活性化が促進された。又、ブレッビング開始直前の卵にGST-Mosを微量注入したところアポトーシス開始が有意に遅れた。この結果は、MAPKの不活性化によってカスパーゼ3が活性化可能となることを示唆している。更に、カスパーゼ3活性によってMAPKが不活性化されたのではないことは、卵をカスパーゼ3阻害剤で処理してもMAPKが自律的に不活性化したことからも支持された。 又、培養細胞系でアポトーシス誘導に働くことが知られるp38MAPKの挙動を、ヒトデ卵のアポトーシスでも調べたところ、MAPKとは対照的に、カスパーゼ3が活性化するころから強い活性がみられた。そこで卵をp38MAPKの阻害剤で処理したところ、ブレッビング後のアポトーシス小体の形成が阻害された。したがって、p38MAPKはアポトーシス小体の形成に関与することが明らかになった。 以上の成果をMBC誌04年3月号に掲載予定である。 また、二次元電気泳動装置を購入し、MAPK基質蛋白質の検索を行った。現在、目的とするMAPK基質蛋白質のスポットが検出される条件を検討中である。
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