研究課題/領域番号 |
02J03735
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤田 亮介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科(薬学研究科), 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細胞死モードスイッチ / ネクローシス / アポトーシス / 虚血 / グルコース / ATP / プロテインキナーゼC / カルシウム |
研究概要 |
本年度はより詳細なモードスイッチ分子基盤の解明を行うべく検討を行った。これまで培養開始直後から無血清低密度培養にすることでネクローシスが誘導され、高密度培養ではアポトーシスが誘導されることを見いだした。さらに高密度培養上清(CM)およびCMより発見したNDIを添加することで低密度培養の細胞死がアポトーシスにモードスイッチし、この機構にプロテインキナーゼC(PKC)が関与することを明らかにした。今回、ネクローシスを起こす無血清低密度培養時には、細胞膜上に存在するグルコーストランスポーター(GLUT)が細胞内に局在を変えることで、グルコース取込みが低下し、細胞内ATP量が急激に減少することを見いだした。これに対してNDIを処置した細胞ではGLUTを細胞膜上に局在化させることで、グルコース取込みを増加させ、細胞内ATPを維持することでネクローシスを抑制していることを明らかにした。さらにこのメカニズムにはG_i蛋白質、ホスホリパーゼCおよひPKCが重要な役割を果たすことを薬理学的、免疫組織学的手法を用いて明らかにした。一方、アポトーシス誘導はBaxの発現増加によりmitochondria経路を介し、引き起こされることを明らかにした。NDIとは別に、細胞内ATPを維持するためクルコース量を増加させた培養液を用いて検討したところ、ネクローシス抑制だけではなく、Baxの発現増加を介したアポトーシス誘導により細胞死モードスイッチが起こることが示されたが、グルコース同様、ATP原料になるピルビン酸の場合では、ネクローシスを抑制するのみでアポトーシス誘導が見られなかった。この結果、NDIおよびグルコース処置で見られる細胞死モードスイッチには細胞内ATP量の維持によるネクローシスの抑制だけではなく、Baxを介したアポトーシスの誘導が必要であることが示唆された。
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