研究課題/領域番号 |
02J03970
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
細胞生物学
|
研究機関 | 東京大学 (2003) 岡崎国立共同研究機構 (2002) |
研究代表者 |
加納 ふみ 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | セミインタクト細胞 / GFP / 小胞体 / 細胞周期 / オルガネラ / 可視化 / 再構成 / 細胞生物学 |
研究概要 |
哺乳動物細胞の小胞体(endoplasmic reticulum, ER)は、間期では細胞中に広がった連続した網目構造を構築している。この細胞内でつながって一つに連続している小胞体が細胞分裂期にどのような機構で娘細胞へと分配されるかを、小胞体の可視化とその動態追跡により明らかにした。まず、小胞体に局在するシャペロンであるHSP47とGFPの融合タンパク質を恒常的に発現するCHO細胞株(CHO-HSP)を樹立し、小胞体を可視化した。共焦点レーザー顕微鏡観察やFLIP(fluorescence loss in photobleaching)法といった分光学的手法を用いた実験より、小胞体は細胞分裂時でも連続であること、しかしERチューブが部分的に切断されることによりそのダイナミクスが間期のときに比べて増大していることなどがわかった。そこで形質膜を透過性にしたセミインタクト細胞系を用いて、ERに特異的な網目構造を変化させる因子を生化学的に探索する系を確立した。セミインタクト細胞は連鎖球菌毒素ストレプトリシンOをCHO-HSP細胞に作用させ、形質膜に直径約30nmの穴をあけることにより調製した。セミインタクトCHO-HSP細胞にL5178Y細胞により調製した間期/M期細胞質をATP再生系とともに添加した後、ERの形態学的変化を光学顕微鏡観察し、three-way Junction assayによる定量化(ある一定範囲内のERの三つ又構造の数をカウントする方法)を行った。その結果、微小管がノコダゾール処理により破壊されているときに限り、M期細胞質によってERの網目構造が破壊されることなどを明らかにすることができた。また、M期細胞質によるERの網目構造の破壊は、Cdc2キナーゼに依存することもわかった。そのターゲットを探索した結果、homotypicな膜融合を制御するp97のコファクターp47がM期においてCdc2キナーゼによってリン酸化され機能が失われることが重要であることを明らかにした。これらの結果はまとめ、現在論文投稿中である。またM期細胞質によって壊れたERの網目構造は新たに間期細胞質を加えることによって再構築されうることがわかり、その細胞質因子の同定を進めている。
|