研究課題/領域番号 |
02J04691
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若林 緑 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 老後貯蓄 / 公的年金 / 社会保障 / ライフサイクル仮説 / 応用エコノメトリックス |
研究概要 |
私はこの一年間で博士論文を完成させた。具体的には以下の3章を完成させている。 第1章では、(財)生命保険文化センターおよび東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センターより提供を受けたマイクロデータ「公的保障と自助努力に関する意識調査-1996年-」を用い、老後生活費の財源である将来の貯蓄の取り崩し予定額、公的年金・退職金の期待額が、退職前の人々の老後貯蓄の現在額にどの程度影響するかについて分析した。本分析から、勤労者は将来の貯蓄の取り崩し、公的年金、退職金受給額等を考慮に入れ、現在老後貯蓄を行っているという結果が得られた。これはライフサイクル仮説とも整合的である。 第2章では、郵政省郵政研究所から提供を受けたマイクロデータ「家計における金融資産選択に関する調査-1996年-」を用いて、老後生活費や将来受給予定の公的年金・退職金が老後貯蓄目標額および個人年金需要に与える影響について分析し、人々の年金資産が過剰か否かについて検証した。本分析から、自営業者世帯に限り、公的年金と老後貯蓄だけでなく、公的年金と個人年金の間にも代替関係があることが示された。これは次の3つのことを示唆する。すなわち、自営業者世帯ではライフサイクル仮説が強く支持されるということ、彼らの年金資産が過剰ではないということおよび公的年金給付の削減が自営業者世帯の個人年金需要を増加させるということである。 第3章では、第2章と同じマイクロデータ「家計における金融資産選択に関する調査-1996年-」を用いて、人々の所得や消費が退職前後でどのように変化するのか、また変化する原因について分析を行った。本分析から、人々の退職が「予期できたものである」と仮定した場合、家族人数の減少と仕事関係の消費の下落により退職後の消費の下落を説明できることがわかった。これはライフサイクル仮説と整合的である。
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