研究課題/領域番号 |
02J04775
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永瀬 丈嗣 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非晶質合金 / アモルファス / ナノ結晶 / 相変態 / 結晶化 / 電子線照射 / 熱処理 |
研究概要 |
近年、東北大学の井上教授らのグループを中心に「金属ガラス」と呼ばれる新たな材料群が創製され、これまでにはない新たな材料のカテゴリーを形成しつつある。さらに一部の金属ガラス合金は、熱処理による結晶化制御によりナノ結晶化し、これまでの金属結晶材料では実現不可能な力学的・機能特性を有することが見出された。金属ガラスのナノ結晶化制御は、金属材料の新たなブレークスルーを実現する最有力候補である。しかし、金属ガラス特有の高い熱的安定性は、アモルファス相のナノ結晶化を阻害し、その結果、ごく一部の合金系でのみでしかナノ結晶組織を得ることが出来なかった。一方、アモルファス相の結晶化は熱処理以外にも、磁場・圧力・電子線照射といった外的因子によっても誘起される。我々は、アモルファス相中の原子拡散を個々の構成原子レベルで制御できるという観点から、電子線照射効果に注目し、金属ガラス合金に電子線照射を行ったところ、以下の新たな知見を得た。 (a)極めて熱的安定性の高い金属ガラス合金であっても、結晶化を誘起できる。 (b)熱処理ではナノ結晶化しない合金系であっても、電子線照射誘起結晶化によりナノ結晶化を実現できる。 (c)熱処理では得ることが出来ない、新たなナノ結晶組織の創製が可能である。 これらの知見は、金属ガラスの電子線照射誘起ナノ結晶化を利用することにより、これまで最大の障害とされてきたアモルファス相のナノ結晶化における合金系の制約を打破することが可能であることを示唆するものである。金属ガラス合金への電子線照射は、今後の新たなナノ結晶材料創製に関する研究において、大きな役割を担うものであると期待される。 以上に述べた研究成果は、11.研究発表に示す論文3報、国際会議発表の概要1報にまとめている。
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