研究概要 |
本研究では、フォトミキシングにより単一周波数の高周波電磁波を発生させることが可能な半導体光伝導素子と数テラヘルツまでの電磁波の周波数を検出することが可能な高温超伝導体ジョセフソン接合素子を融合させた新しい光・高周波デバイス・システムの開発を目標としている.この様なデバイス・システムは,周波数可変の高精度発信器や,超伝導論理回路用光インターフェースなど様々な応用展開が可能であると考えられる. 本年度では特に,システム内を伝達させるフォトミキシング信号の高周波化,低損失化等を実現する必要性の観点から,光ファイバーカップルによる信号入力を組み込んだ低温システムの構築を行い,フォトミキシング光による高周波信号の発生とその高温超伝導ジョセフソン接合による検出にこのシステムを適用した.光ファイバーカップル型システムの導入により,フォトミキサーの応答限界周波数である約51GHzの信号発生・検出が可能になった. また,システムのチューニング特性より,発生する電磁波の周波数を約300MHzの精度で制御可能であることが示された.この精度は,外部共振器を持つ半導体レーザーを光源と使用することで,さらに向上させることが可能である. 更に,本研究では,光・高周波デバイスを評価するシステムとして,14年度に開発を行った後方散乱型テラヘルツ電磁波イメージングシステムを改良することで,LSIの非破壊検査に適用することが可能であることを示し,実際に,市販のICを評価することでその有用性を示した.
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