配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
これまで代表研究者らの研究室では、高塩食を投与したラットの副腎において特異的に誘導される塩誘導性キナーゼ(SIK)は副腎皮質を副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)で刺激すると誘導され,ステロイド産生の律速酵素であるコレステロール側鎖切断酵素CYP11Aの遺伝子発現をプロモーター領域のCyclic AMP-responsive element (CRE)に結合するタンパク質CREBを介して抑制することを明らかにした(J.Biol.Chem.277.15629-15637 2002)。さらに、SIKのCRE調節機構には、その細胞内局在が深く関係することを示し(J.Biol.Chem.2002.42334-42343)、さらに転写抑制機構との相関について研究を進め転写抑制に関わる領域を探索したところ、SIK1のNLSは細胞内局在だけでなく、転写抑制効果に影響を及ぼしていることがわかった。また核内のSIKだけが転写抑制機能を持つのではなく、細胞質のSIKも同様の作用を示すことを明らかとなり、SIKの単純な局在ではなく、核-細胞質間移動によって転写抑制作用が調節されていることが示唆された。 代表研究者は、SIKによるCREB抑制が細胞質・核両方において発揮されることから、SIK-CREB間に介在する分子の存在を予想し、基質の同定を試みた。そして、今年、SIKが最近同定されたCREB bZIPに結合するCoactivatorであるTORC(Transducer of Regulated CREB Activity)をリン酸化することを示した。TORCはCaシグナルで脱リン酸化され核内移行し、CREBに結合して転写を促進するが、cAMPシグナルーSIKによってリン酸化されると細胞質に止まり転写活性化は抑制される。つまり、SIKのCRE抑制作用はTORCの細胞内局在の制御を介することが明らかとなった(Screaton et al.,2004,Cell.,Katoh et al.,2004 Eur J Biochem)。
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