研究課題/領域番号 |
02J06129
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳史 筑波大学, 基礎医学系, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 幹細胞 / 肝臓 / 肝細胞 / 膵臓 / 膵β細胞 / 再生医学 / 分化 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
培養の難しいヒト肝幹細胞の培養法を確立するために、これまでマウス肝幹細胞の増殖・分化機構を詳細に解析してきた。昨年、肝幹細胞から肝細胞へと分化する初期段階に肝細胞成長因子(HGF)が、その後の分化成熟段階にオンコスタチンM(OSM)が重要な役割を果たしていることを解明したことで(Suzuki et al. Development,2003)、ヒト細胞の前段階としてサル胎児肝臓細胞の培養系の改良を行った。その結果、肝幹・前駆細胞の分裂と増殖を認め、効率よくコロニー形成を誘導することに成功した。さらに、それらの細胞の中に肝細胞や胆管上皮細胞の分化マーカーの発現を認めた。しかしながら、マウス肝幹細胞に見られるような長期的な細胞分裂と継続した分化細胞の供給の実現には至らなかった。これらの幹細胞としての特徴は、移植に必要な肝臓細胞を生体外で幹細胞から作り出すといった再生医療の実現に向けた必要課題である。培養系をさらに改良すると共に、フローサイトメトリーによる幹・前駆細胞の濃縮を進めることで、霊長類肝幹細胞の長期培養の実現に向けた研究を進めるつもりである。 これまでの我々の解析から、肝臓・膵臓・腸の幹細胞はお互いに別の臓器の構成細胞を生み出しうることが示唆されていた。そこで、マウス肝幹細胞からの膵β細胞分化誘導を目的とした研究と同時に、腸管幹細胞からの膵β細胞分化誘導を比較検討してみた。すると、分化誘導因子として使用したglucagon-like peptide-1(GLP-1)が、腸管細胞にインスリン発現を誘導しうることが判明した(Suzuki et al. PNAS,2003)。現在、GLP-1が肝幹細胞や膵幹細胞に対しても同様にインスリン発現誘導能を有するか否かを解析中である。 本研究を遂行するに当たり、平成15年4月から平成16年3月まで米国ソーク研究所にて研究を行った。
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