研究課題/領域番号 |
02J06137
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原 淳子 筑波大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 睡眠・覚醒 / 薬理学 / 高脂肪食 / 環境要因 / 遺伝要因 / 肥満 / ナルコレプシー / オレキシン |
研究概要 |
オレキシン神経を除去したマウスのナルコレプシー様症状を改善するために、CAGプロモーターを用いてオレキシンを全身に発現させたマウスと、このオレキシン神経を除去したマウスをかけあわせ、ダブルトランスジェニックマウスを作成した。このダブルトランスジェニックマウスにおいて、脳波・筋電図測定を行い、解析した結果、オレキシン神経を除去したマウスに見られたナルコレプシーの発作は見られず、発作を改善できることがわかった。またダブルトランスジェニックマウスでは、神経除去マウスにみられるようなsleep-on-set-REMは見られず、また分断化も改善され、持続した覚醒が維持できるようになり、やはり症状は改善されたと考えられた。絶食により自発運動量、覚醒レベルが上昇すること、オレキシンのmRNAは通常より増加することはすでに知られている。そこでオレキシンによる摂食行動の制御と睡眠覚醒の制御にはどのような関係かあるのかを考え、このオレキシン神経除去マウスを用い、絶食時の自発運動量、覚醒レベルを観察した。マウスを絶食し始めてからの行動量を赤外線でカウントしたものを合計してTG, WTで比較した。WTでは、絶食により行動量が増加するが、この増加はTGでは見ることができない。また絶食時の覚醒レベルを脳波・節電図で解析すると、覚醒時間の延長はWTでは明期の後半に見られたが、TGにおいでは見られなかった。つまり、オレキシンニューロンは絶食に伴う覚醒レベルの上昇に必須であることがわかった。食事をとらなくなるとエネルギーバランスがマイナスになり、摂食行動を維持するために覚醒レベルが上昇するが、その際脳の視床下部でオレキシンニューロンが活性化され、覚醒レベルの維持する働きがある。また正常の睡眠覚醒パターンを維持するためにオレキシンニューロンは必須であることがわかった。以上をもって今年度の研究実績報告とする。
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