研究課題/領域番号 |
02J06591
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 照 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | B細胞 / 抗体遺伝子再構成 / Pax-5 / プレB細胞 / κ sterile transcript / accessibility |
研究概要 |
抗体遺伝子再構成は自然界に存在する様々な抗原に反応するために、B細胞分化にとって最も重要なイベントである。この仕組みは利根川博士の功績以来、in vitroの段階ではかなりの部分まで明らかにされたが、細胞内における制御はほとんど明らかにされてはいない。最近、我々はPax-5欠損プレB細胞において、in vitro分化系を用いた分化誘導を行った時、組換え酵素RAGが発現しているもののκ鎖再構成を誘導することができないことを見い出した。この現象はPax-5がκ鎖再構成への関与を示唆することから、そのメカニズムについて解析した。まず、κ鎖領域の染色体構造がオープンになっているかどうかを調べるために、非翻訳RNAのκ sterile transcriptの発現を調べた。その結果、Pax-5欠損プレB細胞ではκ sterile transcriptの発現が全く検出されなかった。ところが、この細胞にPax-5を戻すとκ sterile transcriptの発現は回復した。さらに、FISH法でκ鎖領域の局在を調べてみるとPax-5欠損プレB細胞では転写活性が低い核膜周辺に存在し、この細胞にPax-5を戻すと核中央部に局在を移行した。以上のことから、Pax-5はκ鎖領域の染色体構造をオープンにしているものと示唆された。次に、この制御がPax-5によって直接的に行われているのかどうかを調べるために、エストロジェンでPax-5の局在を細胞質から核へ移行させるシステムを用いた。タンパク質合成阻害剤であるシクロヘキシミドを添加してからエストロジェンを添加した時、僅か4時間程でκ sterile transcriptの発現が誘導された。従って、Pax-5は転写を介さず、直接的にκ鎖領域の構造をオープンにしており、このことでκ鎖再構成を開始させていると考えられた。
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