研究課題/領域番号 |
02J07108
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西山 志保 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(SPD)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ボランティア / 市民活動団体 / サブシステンス(根源的支えあい) / 社会的企業 / 社会的排除 / 協働・パートナーシップ / 市民社会 / 公共圏 / サブシステンス / 「生」に関わる市民運動 / 公共圏と親密圏 / 社会的企業(social enterprise) / 社会的孤立 / 市民活動団体の戦略 / 自立 / ボランタリー事業 / 阪神・淡路大震災 |
研究概要 |
今年度は、研究課題「福祉社会を支える市民活動団体による新たな『公共圏』の創出-非営利事業の国際比較-」という研究テーマの総括として、以下のような成果をあげた。 (1)新たなるボランティア・市民活動論の確立 日本の市民活動の歴史に大きなインパクトを与えた阪神・淡路大震災後のボランティア団体の活動変遷を、引き続き分析した。ボランタリーな団体が、奉仕・無償性・アマチュアリズムといった既存イメージを乗り越え、事業化・専門性を取り入れる過程から、当事者と相互関係を形成しながら、存在の「かけがえのなさ」を支える継続的なボランティア活動を、サブシステンス(根源的支えあい)という概念によって理論化を図ることを目指した。 (2)日本における行政と市民活動団体との協働関係に関する分析 公共圏という理論的テーマを検討するために、公共サービスの領域に関わる市民活動団体が、行政とどのようなパートナーシップや協働関係を形成しているのか、その内実を明らかにすることを目指した。第1に、市民活動支援条例やNPO支援条例などの法制度の策定、また中間支援団体の種類や設立支援など、市民活動を支える基盤づくりの全国的状況を把握し、第2に、「神戸型コーポラティズム」という体制の中でNPOが公共サービスの担い手として、委託事業を通して協働のあり方を問題提起している事例を分析した。 (3)欧州における社会的企業の役割と可能性に関する調査 イギリス・東部ロンドン(移民問題・貧困問題を抱える地域)における社会的企業の役割として、まちづくりトラスト(ウエストウエイ,コインストリート,エンバイロメンタルトラスト他)に対して、設立経緯、活動内容、財政状況、問題状況などのヒアリング調査を行った。またイタリア・ローマ周辺、ミラノ、ブレシアにおいて都市再生に取り組む社会的企業(社会的協同組合)、協同組合の連合体に対してヒアリング調査を行った。国家と地方自治体との関係変化、EU統合によって規定される各ボランタリーセクターの固有性を、事例を深く掘り下げることで浮かび上がらせた。 (4)新たな「公共圏」の理論的検討 「公共圏」に関わるJ.ハバーマス、H.アレントらの理論を検討し、ボランティアの現場から立ち上がる「公共圏」の可能性を検討した。このテーマに関しては、今後、引き続きさらなる理論的考察が必要になる。
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