配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
CM体上の一般線形群の保型表現とCM体のGalois群の1進表現の間の大域Langlands対応が(1を割らない)すべての素点で局所Langlands対応と整合的であることは,Grothendieck群のレベルでのみ知られていた(Harris-Taylor)が,今年度の研究によりモノドロミー作用素を含めた完全な整合性が証明された.この研究の本質的な部分は,該当するタイプのユニタリ型志村多様体の半安定還元を調べ,その1進コホモロジー群のcuspidal保型表現に対応する部分に関してウェイト・モノドロミー予想を解決するものである.まず,ユニタリ群の局所成分が一般線形群になるような素点において,岩堀部分群に対応するレベル構造をもった志村多様体が狭義半安定還元を持つことを証明した.さらに,半安定還元の場合の井草多様体(岩堀・井草多様体)を定義し,そのコホモロジー群へのFrobeniusの作用の跡をHarris-Taylorの公式から計算することにより,ウェイト・スペクトル系列の該当部分が退化することを示し,求める結果を得た.この結果は,ほとんどの場合に,懸案であったcuspidal保型表現に対応する大域Galois表現の既約性を系として導く.この結果を1が剰余標数と等しい場合に拡張するため,p進コホモロジーのウェイト・スペクトル系列へのWeil群・代数的対応の作用に関する関手性を考察した.また,1進コホモロジーに関して,半安定還元のウェイト・スペクトル系列の各タームへの代数的対応の作用を交叉サイクルによって具体的に表す公式を求めた.これによって例えばユニタリ型志村多様体の半安定還元のコホモロジーのウェイト・スペクトル系列の各タームへの岩堀Hecke代数の作用を記述することができる.これは今後より一般の志村多様体の半安定還元・一般半安定還元を調べる際の強力な手法になることが期待される.
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