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霊長類における色覚の個体差と行動

研究課題

研究課題/領域番号 02J08373
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 人類学(含生理人類学)
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 慈子  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード色覚 / 色覚異常 / チンパンジー / オマキザル / カニクイザル / 3色型色覚 / 2色型色覚
研究概要

新世界ザルでは同種内に3色型色覚の個体と2色型色覚の個体が混在していることが知られている。また、ヒト以外の旧世界霊長類の色覚は均一であるとされてきたが、近年、旧世界ザルであるカニクイザルにおいて2色型色覚の個体が発見され(Onishi et al.,1999;2002)、さらに最近チンパンジーにおいても色覚異常の個体が、1個体発見されている(Saito et al.,2003;Terao et al.,2005)。2色型色覚は、赤い果実あるいは若葉の検出に、3色型色覚よりも不利だといわれている一方、2色型色覚の存在理由として、2色型色覚はその他の採食行動において3色型色覚よりも有利であるという可能性が指摘されている。
特別研究員は、昨年度までにフサオマキザルと、チンパンジーを対象に、「きめ」の違いによって描かれた図形の弁別課題を用い、2色型色覚の有利性を検証してきたが、今年度は、フサオマキザル3頭(3色型:n=1;2色型:n=2)を追加し、さらにヒトを対象に同様の課題をおこなった。その結果、刺激がカラーカモフラージュされた条件では、フサオマキザルの2色型の個体は、有意にテスト刺激を弁別することができたが、3色型色覚の個体は弁別することができなかった。またヒトでは、カモフラージュされた条件とカモフラージュされていない条件を比較したところ、色覚異常と診断された参加者では反応時間に条件間で有意な差がなかったが、正常3色型の参加者では反応時間がカモフラージュ条件で有意に長くなった。このことから、この課題において2色型色覚、色覚異常の個体は、3色型色覚の個体よりも有利であったといえる。今回の実験により、ヒト以外の霊長類2種、さらにヒトにおいても、2色型色覚の有利性が個体間の行動の違いとして明確に示されたといえる。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] Demonstration of genotype-phenotype correlation in polymorphic color vision of a non-callitrichine New World monkey, capuchin Cebus apella2005

    • 著者名/発表者名
      Saito, A. et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Primatology (印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Advantage of dichromats over trichromats in discrimination of color-camouflaged stimuli in non-human primates2005

    • 著者名/発表者名
      Saito, A. et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Primatology (印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Saito, A. et al.: "Behavioral evidence of color vision deficiency in a protanomalia chimpanzee (Pan troglodytes)"Primates. (発表予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2024-03-26  

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