研究課題
特別研究員奨励費
1.外骨格基質ペプチドCAP-1の構造活性相関アメリカザリガニの外骨格から単離されたCAP-1はin vitroにおいて、炭酸カルシウム結晶形成阻害活性とカルシウム結合活性を有しており、外骨格の石灰化に重要な役割を果たしていると考えられる。これらのin vitroにおける機能と構造の関連性を明らかとするために、大腸菌を宿主とした、様々な変異体CAP-1の発現系を構築した。得られたこれらのペプチドについて、炭酸カルシウム結晶形成阻害活性とカルシウム結合活性を調べた結果、C末端酸性領域を削除したペプチドはどちらの活性も低下したことから、C末端酸性領域がカルシウムイオンおよび炭酸カルシウム結晶との相互作用に重要であることがわかった。また、これらのペプチドについてCDスペクトルを測定した結果、すべてのペプチドはカルシウム濃度依存的にスペクトルが変化することがわかった。その中でもN末端領域を削除したペプチドは、他のペプチドと比較してスペクトルが大きく異なり、カルシウムによるスペクトル変化の割合も小さいことがわかった。以上の結果から、CAP-1のN末端領域はペプチドの構造の維持とカルシウムによる構造変化に何らかの寄与をしていることがわかった。2.CAP-1の発現制御機構の解明CAP-1は外骨格の石灰化が起こる脱皮後期特異的に発現していることから、エクジステロイドにより誘導される初期もしくは後期遺伝子によって、その発現が制御されていると考えられた。そこで、表皮組織を組織培養した結果、エクジステロイド存在下で一定時間培養した後に、非存在下で培養することによって、その発現が誘導されることがわかった。また、CAP-1の転写制御領域をクローニングし、哺乳類細胞、昆虫細胞を用いてレポーターアッセイを行ったが、転写活性化能に差は認められなかった。
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