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19世紀アメリカにおけるネイティヴィズム高揚の歴史的構造-ナショナリズムと移民労働

研究課題

研究課題/領域番号 02J08939
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 政治学
研究機関九州大学

研究代表者

山中 亜紀  九州大学, 大学院・法学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードナショナリズム / ネイティヴィズム / 移民 / 多文化主義 / 社会改革運動 / 信仰復興運動 / 白人性 / アメリカ化 / パトリオティズム / アメリカ史 / 19世紀
研究概要

現代アメリカ政治分析にかんしては、アメリカ・ナショナリズムとネイティヴィズムとの関係性を、より多面的に論じるために、多文化主義研究や「白人性(whiteness)研究」に着目した。具体的には、まず、アメリカ史研究者John C. RoweやGeorge J. Sanchezらが中心となって提唱するNew American Studiesを瞥見し、そこにおいて、「保守派」による「反多文化主義論」や「ヒスパニック移民亡国論」が、「現代におけるネイティヴィズムの再燃」としてとらえられていることを確認した。次に、Sanchezが「現代のネイティヴィスト」と批判するPatrick J. BuchananやPeter Brimelowらの言説分析をおこなった。その結果、多文化主義政策やヒスパニック移民政策をめぐる、SanchezらとBuchananらとの対立は、アメリカにおける国民統合のあり方についての理想像の相違に由来していることが明らかとなった。
歴史研究に関しては、19世紀初頭から世紀中葉にかけてのネイティヴィズム運動を、通史的に描きだす作業に従事した。以下、概括する。1830年代なかば、「移民(労働者)のアメリカ化」を論じたSamuel F.B. MorseやLyman Beecherによって、ネイティヴィズムの理論的基盤は整えられた。この主張は、1840年代後半にはいると、社会的重要性を増大させる。急速な産業発展、膨張する領土、そして大量に流入する移民によって、アメリカの姿は大きく変わりつつあり、それに見合った新たな国民統合のあり方が必要となったからである。こうしたなか、Know Nothing (American Party)は、「真のアメリカ人とは、生粋のアメリカ人であり、その本質は、独立宣言と合衆国憲法の精神への理解である」という明確な国民像を提示するとともに、この国民像は「公立学校における教育」によってのみ実現するという立場を打ち出し、社会的共感を得ることに成功する。しかし、1850年代後半、奴隷制問題が国民統合における第一義的なテーマとなったとき、Know Nothingの提起する国民像は二義的なイシューとなり、党は急速に解体し、ネイティヴィズムは衰退するのであった。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 現代における「アメリカ・ネイティヴィズムの再燃」をめぐる議論状況2005

    • 著者名/発表者名
      山中 亜紀
    • 雑誌名

      法政研究 72-1(発表予定)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 山中 亜紀: "書評 ウォルター・バーンズ著『パトリオットを育成すること』"政治研究. 51. 199-203 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2024-03-26  

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