研究課題/領域番号 |
02J10733
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 貴広 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 照射損傷 / 超高圧電子顕微鏡 / 原子力材料 / バナジウム合金 / オーステナイト・ステンレス鋼 / 点欠陥 |
研究概要 |
本研究では、核分裂炉、及び核融合炉材料における照射欠陥の挙動評価、並びに点欠陥反応の要素機構解明を目的とし、HVEMを用いて、種々の試験パラメータ条件における照射欠陥の形成発達挙動のその場観察を行った。ここでの成果の一部に関して、その概略を以下にまとめる。 1 バナジウム合金における照射欠陥挙動 全ての合金において、ループ飽和数密度の顕著な増大と成長速度の低下を観測し、添加合金原子が格子間原子に対して顕著な捕捉効果を有する事を明確に示す結果を得た。また、アンダーサイズ原子の添加により、ループ飽和数密度の温度依存性に複数のステージの発現を確認した。その発現機構を従来の速度論に基づく理論モデルを用いて検証し、格子間原子の実効的な移動エネルギーの評価に成功した。 また、他のバナジウム合金とは異なり、V-Ti系合金では高純度化による欠陥挙動の有意な変化は認められず、この結果から、これらの合金では合金原子そのものがSIA捕捉の支配因子である事を明らかにした。 2 欠陥クラスターの1次元運動 格子間原子型クラスターの1次元運動のその場観察を行い、その移動頻度、移動距離などを定量評価し、これにより1次元運動のパラメータ化に成功した。その結果として、侵入型不純物原子、及び合金原子は共に、クラスターを固着する事によりその実効的な運動頻度を低下させ、高濃度化によりいわゆる引きずり抵抗として実効的な移動距離を低下させるに等しい効果を有する事を明らかにした。結論として、SIAクラスターの1次元運動は応力場の相互作用に支持された熱活性化過程として記述されるものである事、また、実用材などの高濃度合金では、1次元運動の損傷蓄積過程に対するインパクトは、純金属におけるそれと比較して低い事を指摘した。
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