配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
ランダム三次元表面形状を,非因果的二次元自己回帰モデルと呼ばれる確率的モデルを用いてモデル化し,データを生成する手法をオブジェクト指向プログラミングによって確立した.そして,種々の特性を有するデータの生成の検討を行った.非因果的二次元自己回帰モデルは,モデルとしての優れた特性を有する反面,計算アルゴリズムが複雑で計算時間も長くなってしまう欠点があるが,オブジェクト指向を用いることによってコードの見通しを良くすることによって保守性を改善し,さらにモデルから導かれる計算時間短縮アルゴリズムを適用することによって欠点をある程度まで補うことができた.生成したデータはトライボ現象のシミュレーションだけでなく,ランダム三次元表面形状の標準片のマスターデータとしての活用も検討されている. また,ランダム三次元表面形状の評価手法として,従来から用いられている算術平均粗さRaなどでは十分に現象を説明できない場合があるため,接触状態を考慮した手法を提案した.接触状態を考慮することによって,実際に接触に関与する部分のみの特徴を抽出することができる.この方法の概要は,粗さを有する二面間の距離Δを仮定し,その状態における接触突起を抽出し,接触荷重の総和を計算し,所定の接触面圧になるまでΔを変更しながら繰返し計算するものである.この手法を実際のダイアモンドライクカーボン及び硬質クロムメッキに対する樹脂材料のトライボ現象との関係に適用し,表面形状の違いによる接触状態の違いを検討した.その結果,コーティング材の製膜方法による形状の違いと,摩耗の相関を検討するパラメータとして,局部接触面圧が有効という結果を得た.
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