研究課題/領域番号 |
02J61412
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 正和 東京大学, 大学院・医科学研究所, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ウイルスベクター / 遺伝子治療 / Cre / FLP / 発現制御 / 遺伝子置換 / アデノウイルス |
研究概要 |
本研究は、がん細胞特異的プロモーターから組換え酵素Creを発現する「スイッチユニット」とCre依存的に強力なプロモーターから目的遺伝子の発現をONへと誘導する「制御ユニット」を併せ持つ、がん細胞のみで目的遺伝子が高発現する厳密な遺伝子発現制御機能を有する「単一型特異的高度発現ベクター」を第二の組換え酵素FLPを用いて作製することを最終目的とする。この目的を達成するには、アデノウイルスゲノムのほぼ全長を目的遺伝子と置換したヘルパー依存型(gutted)ベクターの効率的な作製法の確立が急務である。昨年度までにguttedベクター作製の予備的な検討として、組換え効率の優れたCreの遺伝子置換反応を応用した新しいE1置換型(第一世代)ベクターの作製に成功しており、本年度は本法によるguttedベクター作製の検討を行った。第一世代ベクターと異なり、guttedベクターの増殖には常にヘルパーウイルス(本法ではレシピエントウイルス)の供給とその制御が必須である。まず、インサートを従来のE1領域に挿入したレシピエントを作製し検討した結果、Creの欠失反応によりレシピエントのウイルス粒子へのパッケージングを阻止するためにパッケージングシグナル(Ψ)の両端に挿入したloxPの内側のloxP近傍の配列が一部欠失し、Ψが失われないレシピエントが優位になっていった。そこで、インサートをE3に挿入した上、E1の残存領域を完全に除去し増殖に必要なpIX遺伝子とloxPとを直結させることにより、loxP欠失ウイルスの増殖が抑制されるよう設計した改良型レシピエントを構築した。この新レシピエントと目的遺伝子を持つドナーコスミドをCre発現293細胞株に導入した結果、2次シードから目的ベクターが検出され、8次シードでは約100倍にまで増加したが、ベクター作製効率の更なる向上が必要であると考えられた。
|