研究分担者 |
元場 俊雄 大阪電機通信大学, 教授 (90121863)
高杉 英一 大阪大学, 教養部, 教授 (00135633)
赤石 義紀 北海道大学, 理学部, 助教授 (50001839)
矢崎 紘一 東京大学, 理学部, 教授 (60012382)
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 助教授 (70025493)
江尻 宏泰 大阪大学, 理学部, 教授 (80013374)
岸本 忠史 大阪大学, 理学部, 助教授 (90134808)
大森 千広 東京大学, 原子核研究所, 助手 (50213872)
新川 孝男 高エネルギー物理学研究所, 助手 (70171064)
BLACKMORE E. TRIUMF研究所, 主任研究員
BEVERIDGE J. TRIUMF研究所, 主任研究員
KUNO Y. TRIUMF研究所, 研究員
森 義治 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30124176)
VOGT E.W. TRIUMF研究所, 所長
KITCHING P. TRIUMF研究所, 主任研究員
CRADDOCOK M. TRIUMF研究所, 主任研究員
稲垣 隆雄 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (60044757)
早野 龍五 東京大学, 理学部, 助教授 (30126148)
佐藤 任弘 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (10013418)
中井 浩二 高エネルギー物理学研究所, 教授 (40028155)
片山 武司 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (30013402)
丸山 浩一 東京大学, 原子核研究所, 助手 (50114658)
西川 公一郎 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (60198439)
橋本 治 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (50092292)
杉本 章二郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (20044753)
山田 作衛 東京大学, 原子核研究所, 教授 (70011658)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80011500)
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研究概要 |
カナダのTRIUMF研では、従来の数10〜100倍の強度をもつ100μA,30GeVの大強度陽子加速器を建設し、K中間子,反陽子,ニュ-トリノなどを大量に生成し、これらを用いて原子核・素粒子物理の研究を飛躍的に発展させるKAON計画を進めている。この計画は、はじめから国際的ユ-ザ-を前提とする国際的共同利用ファシリティ-を作ろうとするもので、想定ユ-ザ-の比、加(1/3),米(1/3),日(1/6),欧(1/6),に対応して建設費(約Ca M \600)の一部を米(1/6),日(1/12),欧(1/12)の比率で分担するという提案がなされている。この分野におけるわが国の研究者の貢献度、わが国の研究者に対する期待度が高いことから、これに参加することは重要である。これらをふまえ、本研究ではKAON計画で展開される物理を調査・検討し、実験計画の立案や、ビ-ムチャネル・測定装置のデザインを行い、加速器建設を含め、わが国の寄与について明らかにすることにあった。この科研費は単年度しか認められなかったため、最終案をつめる所までは検討は進められなかったが、当初たてた研究項目についての検討は大きく進展し、充分な効果があった。以下具体的に述べる。 1.大強度陽子ビ-ム加速については、エネルギ-は800MeVと低いが現実に75μAの陽子ビ-ムを蓄積しているロスアラモス研の蓄積リングを視察し、意見を交換した。又偏極ビ-ムの加速に不可欠のサイベリアンスネイク実験を行っているインディアナ大を視察した。更にTRIUMFにおいてビ-ムの遅い取り出し法と蓄積方法についての議論を行い、今後のより精密なシミュレ-ションの指針を得た。 2.素粒子稀崩壊実験については、ビ-ム強度はKAON計画より2ケタ近く低いが、現実に実験を行っている米国ブルックヘブン研(BNL)と高エネ研(KEK)等でのワ-クショップにおいて、現状のまとめと、ビ-ム強度を上げた場合の問題点を中心に検討を進めた。デ-タ収集率を上げるために、高い計数率のもとで、数えおとしの少ないVeto用のガンマ線検出器の開発を進めており、各種物質について基礎デ-タを取るところからはじめ、全体の測定器(大立体角、高分解能スペクトロメ-タ-)を更に最適化する。又高速デ-タ処理の方式についても検討を行っている。 3.ニュ-トリノ実験については、3GeVブ-スタ-のビ-ムと30GeVのビ-ムを用いてできてる物理の比較検討、及び、より高いエネルギ-でのニュ-トリノ実験物理との関係が議論された。又新しいニュ-トリノ検出器としてファイバ-シンチレ-タ-の検討を進めている。 4.中間子を用いた原子核実験では、特にハイパ-核生成実験の進め方と、それに必要な高性能ビ-ムチャネル及びスペロトメ-タ-の検討を行った。現実に実験を行っているKEK,BNLの現状総括と、KEKで建設中の超伝導スペクトロメ-タ-(SKS,TOROIDAL)の性能評価、調整状況が議論され、分解能200keVのビ-ムチャネルの設計や、中性粒子検出器、ファイバ-シンチレ-タ-の検討が進んだ。K中間子、π中間子散乱実験の検討も行った。又、高計数率で長時間安定に作動する高位置分解能ガス検出器の開発も進んでいる。 5.反陽子による物理については、CERNのLEAR装置により高いエネルギ-での物理、主としてエキゾチック探索やチャ-モニウム・原子核相互作用についての検討が進んだ。検出器の検討も進んでいる。これらの議論・検討は今後もひきつづき行われる予定で、何回かの大規模な国際ワ-クショップを経て、最初にスタ-トさせるべき実験のプライオリティを決め、各国の加速器建設への寄与と、ビ-ムチャネル、測定装置の役割分担の最終案をまとめてゆく予定となっている。
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