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人間活動の強いインパクトを受けた河川生態系とその水資源の管理と回復

研究課題

研究課題/領域番号 03041030
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 基之  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011040)

研究分担者 真柄 泰基  国立公衆衛生院, 衛生工学部, 部長 (60083739)
若林 明子  東京都環境科学研究所, 主任研究員
宇都宮 暁子  神奈川県衛生研究所, 主任研究員
内海 英雄  昭和大学, 薬学部, 助教授 (20101694)
川島 博之  農林水産省, 農業環境技術研究所, 主任研究官 (30161318)
向井 哲  国立環境研究所, 水質土壌環境部, 主任研究員
相沢 貴子  国立公衆衛生院, 衛生工学部, 室長 (10192832)
孫 晋彦  東亜大学, 工学部, 教授
李 哲煕  嶺南大学, 環境工学科, 教授
茅原 一之  明治大学, 理工学部, 助教授 (80111566)
河 紀成  釡山国立工業大学, 工学部, 助教授
岡田 光正  広島大学, 工学部, 教授 (70124336)
朴 永圭  嶺南大学, 環境工学科, 教授
SOHN Jin-Hon  Department of Chemical Engineering, Dong-A University
LEE Chul-Hee  Department of Environmental Engineering, Yeungnam University
HA Ki-Sung  Department of Chemical Engineering, Pusan National Institute of Technology
PARK Yung-Kyu  Department of Environmental Engineering, Yeungnam University
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード韓国 / 洛東江 / 水界生態系 / 汚濁負荷 / 細胞毒性 / トリハロメタン / 流域管理システム / 変異原性
研究概要

韓国産業の急速な発展の反面、排水処理施設等の整備の遅れにより、かってのわが国以上に水質汚濁と水界生態系の破壊が顕在化している。しかし、水需要の伸びにより水資源の開発も急務となっており、水質汚濁対策も不十分なままダム湖等の建設が進め準られている。これによって水資源量は確保されるものの、水界生態系の破壊によりその質は低下すると考えられる。このような強度の人間活動のインパクトによる水界生態系および水資源の質的危機は、経済発展を始めた東南アジア地域の新興工業国に共通の問題であり、また開発途上国もその近代化に伴って近い将来直面する問題と思われる。本研究では、このような典型的な事例の一つとして、強度に汚濁しているにもかかわらず、水資源としての高度な利用が行なわれている韓国の洛東江水系を研究対象とし、流域内における全汚濁負荷発生、排出、流達、水利用等の調査を行ない、水資源ならびに生態系の質に及ぼす人間活動のインパクトを定量的に把握することを試みた。また、水資源としての質の低下は発ガン性物質、変異原性物質、有害合成化学物質、ならびに腐植物質のような浄水処理によってその前駆物質となる物質についても評価した。
本研究では、まず、平成3年7月に日本側研究者と韓国側研究者との間の合同シンポジウムを開催し、洛東江の水質汚濁、流域構造の現状に関する既往の研究成果のレビュ-、わが国における水資源の質的評価の手法とその現状、さらに水系管理システムの開発状況の紹介を行うと共に、共同調査実施のための協議を行った。その成果は、シンポジウム資料としてまとめた。
その後、6回にわたって現地水質、生態系、ならびに水利用障害の調査を行った。水利用障害に関しては、淡水域で最も重要な水道水としての利用を前提とし、洛東江河川水中の腐植物質の分離濃縮、ならびにキャラクタリゼ-ションを行った。
さらに、これら腐植物質を含む水道源水の塩素処理によって生成されるトリハロメタンに着目して、原水から水道栓に至る浄水処理過程でのその生成能の評価を行った。強度の汚濁のため、わが国よりはるかにトリハロメタン生成能の高い水道原水であることが明らかにした。しかしながら、水道水中のトリハロメタンはかならずしも高くないことがわかった。これは、塩素処理がかならずしも十分でなく、水道水中の残留塩素量が不足していること荷由来しており、衛生学的な問題という、別の意味での問題点が明かになった。
さらに河川水中の溶存物質をXAD樹脂によって濃縮し、その細胞毒性試験を実施した。これらの琴湖江ならびに洛東江の河川水はAmes試験による変異原性を示した。またLー929細胞による細胞性試験を実施した結果、大邱ならびに釜山市の水道水で細胞毒性を示す例があった。
界面活性剤の分析からは、すでに使用されていないとされる難分解性のABSが河川水中から検出された。このため、合成洗剤ならびに石けんも含めた洗浄剤の使用状況のアンケ-ト調査を実施し、生活面からの汚染原因の調査を行った。
洛東江生態系の回復策を検討するための水系管理エキスパ-トシステムの開発に関しては、まず、国際的なソフトウェアとしてC言語を基本としたソフトウェアの開発を行い、窒素、リン、CODを対象とする汎用システムに改良を加えた。とくに、洛東江のような大河川流域に対応するシステムとした。これをもとに、洛東江を対象にしてシステムの適用を行った。これより、洛東江水系では、大邱市を中心とする琴湖江流域の負荷がきわめて大きいことが明かになった。またその原因は産業系のみならず、生活系のし尿が大きかった。また我が国と同様に生活雑排水の寄与も大きかった。他の流域の負荷は比較的小さかったが、農地、畑地、森林などの負荷が同程度の割合を占めていた。
これらの結果をもとに、洛東江水系に与える人間のインパクト、水資源と生態系の質の低下、破壊を評価し、人間活動と水界生態系の相互関係の適正なあり方に総合的な検討を加えた。

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Okada,M.,Chihara,K.,Kawashima,H.and Suzuki,M.: "Development of a personal computer-based system to support basin-wide management of water quality in lakes and rivers." Water Sci.Tech.23. 125-132 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takasaki,M.,Kim,H.,Sato,A.,Okada,M.and Sudo,R.: "The submerged biofilm process as a pre-treatment for polluted raw water for tap water supply." Water Sci.Tech.22. 137-148 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Aizawa,T.,Magara,Y.and Musashi,M.: "Effect of bromide ions on trihalomethane(THM)formation in water." J.Water SRT-Aqua. 38. 165-175 (1989)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小沢 茂,相沢 貴子,真柄 泰基: "二酸化塩素処理の反応生成物に関する検討" 水道協会誌. 60(4). 10-18 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takuya Okubo,Mitsumasa Okada,Akihiko Murakami: "River Basin Management---V"(Ed.Laikari)" Pergamon Press, 237-245 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Okada, M., Chihara, K., Kawashima, H. and Suzuki, M.: "Development of a personal computer-based system to support basin-wide management of water quality in lakes and rivers." Water Sci. Tech.23. 125-132 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takasaki, M., Kim, H., Sato, A., Okada, M. and Sudo, R.: "The submerged biofilm process as a pre-treatment for polluted raw water for tap water supply." Water Sci. Technol.22. 137-148 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Aizawa, T., Magara, Y. and Musashi, M.: "Effect of bromide ions on trihalomethane (THM) formation in water." J. Water SRT-Aqua. 38. 165-175 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ozawa. S., Aizawa, T. and Magara, Y.: "Study on reaction products by the treatment of chlorine dioxide" J. Japan Water Works Ass.60 (4). 10-18 (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takuya Okubo, Mitsumasa Okada, Akihiko Murakami: Pergamon Press.River Basin Management---V, 237-245 (1989)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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