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フィリピンでの超高性能地震観測と西太平洋地域グローバル地震観測網の構築

研究課題

研究課題/領域番号 03041042
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関京都大学

研究代表者

安藤 雅孝  京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)

研究分担者 BART BAUTUST  フィリピン火山地震研究所, 地震研究部主任
RAYMUND S. P  フィリピン火山地震研究所, 所長
山田 功夫  名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
伊藤 潔  京都大学, 防災研究所, 助教授 (80022721)
渋谷 拓郎  京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
尾池 和夫  京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
BAUTISUTA Bart  Branch Chief, Philippine Institute of Volcanology and Seismology
PUNOGBAYAN Raymund S.  Director, Philippine Institute of Volcanology and Seismology
GARCIA Delfi  フィリピン火山地震研究所, 技術官
PUNONGBAYAN  フィリピン火山地震研究所, 所長
研究期間 (年度) 1991 – 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワードタール火山 / 超高性能地震計 / 西太平洋 / 噴火予知 / 地震探査 / ファン-シューテング / 人工地震 / フィリピン / ポセイドン計画 / 連続収録 / 西太平洋地域 / グロ-バル地震学 / ディジタル地震記録 / タ-ル火山
研究概要

当研究の目的は,(1)西太平洋超高性能地震観測網計画の一環としてフィリピン国に観測システムを設置し,記録の収録と解析を行うこと,(2)フィリピンの地震危険度の推定と地震発生機構・テクトニクの研究を行うことである。以上(1),(2)の順で成果の概要を述べる。
(1)超高性能地震計は,平成3年度にフィリピン火山地震研究所のタガイタイ観測点に設置し順調に記録の収録が開始された。記録の解析は現在進められており3カ月以内の報告できるものと思う。地震の収録は,連続収録とトリガー収録の二つの方式を取っている。連続収録は1点1秒,トリガー収録は42点1秒サンプリングを行っている。トリガー記録は,1年で約200点収録されている。現在の問題は,時刻較正と停電対策の2点である。現システムはオメガ電波を用いて時刻較正を行っているが,受信状況等多くの難点を持っている。このため,GPSを用いて時刻較正を行う予定であるが,市販品は高価なため,渋谷(分担者)が手づくりで作製する計画を持っている。停電はフィリピンでの大きな社会問題である。経済的な進展のみられないフィリピンでは,この1〜2年に電力事情が急激に悪化してきた。昼間に5時間程度の停電は普通である。自動車用バッテリーで停電対策を取っているが,長期間の停電を繰返すとバッテリーは回復不可能となる。このため,停電時はファイル書き込みを止め,復電時にも電圧回復まで収録を待つような対策を取る必要がでてきた。これらは,平成5年度5月頃に2名が訪問し実施する予定である。計画立案時や設置の際には予想されなかったことではあるが,発展途上国での研究計画は万全の対策を取る必要があることを示している。
(2)地震危険度等 フィリピンは,1990年にフィリピン地震が発生し,1991年にピナツボ山が大噴火,1993年1月にはマヨン山が噴火をした。このようにフィリピンはルソン島を中心に地震火山活動が活発になっている。河高性能地震計を置いているタガイタイ観測所はタール火山の外輪山にあり,マグマ性の地震活動の監視も兼ねている。タール火山の近年の地震活動は高く,噴火の可能性が高いと言われている。火山の噴火や災害の防止軽減のためには,噴火規模の推定が必要である。この基礎資料として,マグマ溜りの位置,深さ,規模,および部分溶融面の位置や深さの情報が欠かせない。平成5年2月末から2週間にわたり,人工地震を用いた地殻構造調査が行われた。平成4年12月に研究協力者の西上がフィリピン火山地震研究所の研究者と共に,発破点の選定,地震計の設置点の調査,業者の折衝等を行い,2月末の本調査へ向けての準備を完了させた。深さ50mの発破孔を2本掘削し,200kgのダイナマイトを人工地震源として,地震探査を実施する予定を立てた。発破点はタール湖(カルデラ湖)西岸に置き,観測点を東岸沿いに南北に展開し,扇状放射観測を行った。発破を2度に分けた理由は,収録システムが日本側とフィリピン側と併せて16組しかなく,1回で東岸域に並べると間隔が荒くなり,マグマ溜り検出には適さないことがわかったためである。本調査では,1回目の発破では東岸の北側に,2回目の発破では南側に展開した。これにより32組の収録システムにより地震探査が行われたと同じくなり,かなり詳しい調査が可能となった。日本から8名,フィリピン側から10名の参加があり,かなりハードなスケジュールをこなし調査・観測を成功させることができた。観測点へは陸路から近づくのは難かしく,ボートを用いて観測システムや観測者の輸送を行ったが,観測期間中は風が強く波が荒かったようだが,これらの困難に果敢に立ち向かい実験を成功に導いた。
今年度の研究実績をまとめると,(1)超高性能地震計が稼動し,順調に記録が取れ始めたこと,(2)フィリピン国では始めての研究を目的とした人工地震を用いた地震探査が行われたことがあげられる。後者の探査は,フィリピン側に大きな影響を与えると共に,日本側研究者にも種々の困難を乗り越え共同研究を行う重要さを教えてくれた点は貴重であった。平成5年度からも更に発展した形で国際学術研究が行われる予定である。

報告書

(2件)
  • 1992 研究成果報告書概要
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.SHIBUTANI,N.HIRANO,M.ANDO 他4名: "Broadband seismic observation with STS-2 at Tagaytay the Philippines." J.Physics of the Earth.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.SHIBUTANI,G.BESANA,M.ANDO 他2名: "Deatiled structure of S-wave velocity beneath Tagaytay,the Philippines." Tectonophysics.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Shibatani, N. Hirano, M. Ando, Bart Bautista and R. Punongbayan: "Broadband Seismic Observations with STS-2 at Tagaytay, the Philippines" Journal of Physics of the Earth.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Shibatani, G. Besana, M. Ando, B. Bautista and R. Punongbayan: "Detailed Structure of S-wave Velocity beneath Tagaytay, the Philippines" Tectonophysics.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shibutani,T.,T.Ohkura他15名: "Search for a barried subfaults of the 1990 Luzon earthquake,Philippine by means of aftershock observations" Journal of Natural Disaster Scienece. (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 渋谷 拓郎,平野 憲雄,安藤 雅孝,小泉 誠,大倉 敬宏: "フィリピンダガイタイ(タ-ル火山外輪山木麓)における広帯域地震観測" 地震学会講演予稿集1992年度春季大会. 1. 115 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 安藤 雅孝,大倉 敬宏,伊藤 潔,松村 一男他2名: "ピナツボ火山噴火はフィリピン地震に誘発されたか" 地震学会講演予稿集1991年度秋季大会. 2. 322 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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