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モンゴルにおける古代スキ-の発祥と伝説および子どもの遊び

研究課題

研究課題/領域番号 03041099
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関大阪外国語大学

研究代表者

松下 唯夫  大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (50030185)

研究分担者 藤本 浩之輔  京都大学, 教育学部, 教授
荒井 伸一  大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (30030092)
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード古代毛皮スキ- / 狩猟民族 / 英雄物語 / 民話 / 子どもの遊び文化 / シャガイ
研究概要

本調査は3年計画の予定であったが単年度計画として.調査した調査は.モンゴル北西部フブスグル県の三つの郡を中言に行なった.この地域は20年前にモンゴルの民族学者が一部調査したことがあり,その後今日まで調査班が入ったことがないところであった。それだけに新しい発見があり,成果を上げることができた。古代の毛皮スキ-について.文献の中では現在使用されていないと報告されている(ロシア・スカンジナビア半島において)しかし、今回の調査では.小数民族ツァ-タン族(トワ族)は狩をするための必需品として現在も使われていることがわかった。なぜ毛皮スキ-が必要なのかは、文献の中では山の斜面を登るとき後方に滑らないように毛皮を使うとの報告のみであった。この地では、板製スキ-で狩に行くと獲物(主に黒テン)が逃げてしまう。毛皮スキ-であれば動物の音と同じなので獲物に近づくことができる。また,マイナス40度から60度になると板スキ-では滑走力が落ちることもわかった。トワ族・ダルハト族のスキ-は.中央アジア・シベリアのスキ-に比較すると新しい工夫がなされていた。その中で特徴的なところは、スキ-滑走面の毛皮を張ってある中央部に毛足の短い毛皮を使い,スキ-が直進しやすいようにしてあった。これはモンゴル独自のものではないかと思われる。また他に、36名からの聞きとり調査の中から、(1)民族独自の狩猟方法(2)8種類のスキ-・靴を写真とスケッチで収録(別紙)(2)狩にまつわる民話(口承文芸)などをテ-プにて録音(現在解読中)することが出来た。岩石刻画・壁画については、8か所調査したが,保存状態が悪く,スキ-・かんじき・そりなどの絵は残念ながら見つからなかった。
子どもの遊び文化について、今回はモンゴルの子どもたちの遊び文化を日本および世界各国との比較を調査究明することであった従って日本の伝承遊び32種類の調査カ-ドによって面接調査を行なった。(1)日本と共通性のある遊び お手玉(石なご),石けり,あやとり,おはじき,ままごと,人形ごっこ,手合わせ(サ-クルゲ-ム),花いちもんめ(ラインゲ-ム),風船,おにごっこ,かくれんぼ,子とり,ぶらんこ,凧,相撲,けんけん相撲,輪まわし,綱ひき,釘たて,ぱちんこ(ゴム銃)(2)モンゴルにはない遊び ヨ-ヨ-,こま,ビ-玉,馬とび,しか遊び(胴馬)。馬とびや胴馬のように人の頭や上を飛び越す遊びは,伝統的に忌避されている。(3)存在が部分的または大きな相違のある遊び。はねつき,じゃんけん,凧,たけ馬,(4)シャガイについて,現在日本で見られる袋製のお手玉は.江戸時代の末頃に編みだされたもので、それまでは,小石を使う「石なご」「石などり」と呼ばれているものであった。袋お手玉の祖形であるお手玉は平安時代から記録にあらわれるが,これは世界的におこなわれているものであって,地方(民族)よっては小石のほか.貝殻,木の実,羊の踵の骨などが使われる。羊の踵部分の小石状の骨を使う骨お手玉は、遊牧民の間では長い歴史をもっており,アナトリア地方(現在のトルコ)では、紀元前1000年頃には存在していたことが記録されている。モンゴルでは.この骨をシャガイと呼び,シャガイのゲ-ムを数多く収録することが出来た。
今回は、フブスグル湖北西部のタイが地帯を中心に調査したが,次回は北東部に住む森の民(ウリアンハイ族)を調査したいと願っている。ウリァンハイ族の住む地域は、トワ族地域と同じく,政治的な理由で入村がむつかしい。またジ-プでの走行が,湿地帯であるため、むつかしく、今日まで調査がなされていない。しかし,モンゴル政府の管理下にあるモンゴルスポ-ツ委員会は、空軍と協力してヘリコプタ-による合同調査を約束してくれている。今回の調査についてモンゴルのマスコミも注目し,ラジオ・テレビ・新聞を通じて研究調査の成果を報告してくれた。次回はより専門的知識をもつ、民族学者,文化人類学者と共同研究をすすめる道が開かれたと考えている。

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 松下 唯夫: "モンゴルにおける古代の毛皮スキ-について" 大阪外国語大学・学報. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松下 唯夫: "モンゴル・ツァ-タン族の毛皮スキ-について" 日本体育学会(平成4年12月).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒井 伸一: "モンゴル・ダルハト族の口承文芸" 大阪外国語大学・学報. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藤本 浩之輔: "お手玉遊びの原形伝承" 京都大学・紀要. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsushita Tadao: "The skis made of for used in the ancient times in Mongolia" Journal of Osaka University of Foreign Studies. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Matsushita Tadao: "The skis made of for used by the Tsuartan family" Japan Journal of Physical Education.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Arai Shinichi: "The oral literature of the Daharto family in Mongolia" Journal of Osaka University of Foreign Studies. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Fujimoto Kounosuke: "The original form tradition of the beanbags' play" Bulletin of Kyoto University. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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