海外高性能望遠鏡を用いた観測によるミリ波・光・赤外線天文学の研究

• 研究課題/領域番号: 03041107
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 研究機関: 国立天文台
• 研究代表者: 古在 由秀 国立天文台, 台長 (70012789)
• 研究分担者: 中桐 正夫 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (00124678) ; GATLEY Ian 国立光学天文台(米国), 主任研究員 ; 唐牛 宏 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (30221196) ; 川口 則幸 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90214618) ; 山下 卓也 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (00211631) ; 宮地 竹史 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (10182023) ; 井上 允 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (10151622) ; 長田 哲也 京都大学, 理学部, 助手 (80208016) ; 舞原 俊憲 京都大学, 理学部, 助教授 (90025445) ; 林 左絵子 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (90183912) ; 小林 行泰 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (50170361) ; 佐藤 修二 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (50025483)
• 研究期間 (年度): 1991
• 研究課題ステータス: 完了 (1991年度)
• キーワード: OH夜光 / OH夜光除去 / マウナケア / ミリ波領域 / 基幹施設

研究概要

今年度は延べ人数5名を3回に分けて、派遣し、活発な研究活動が行われた。派遣時期の順に述べる。
1.舞原俊憲及び研究協力者岩室史英は、ハワイ大学天文学研究所において共同開発が進められている新方式分光器製作のため、平成4年2月4日ー11日にわたり、マウナケア天文台ハワイ大学2.2m望遠鏡を使って、OH夜光の赤外線分光観測を実施した。波長1〜2ミクロン領域における地球上層大気のOH夜光の輝線間の連続放射強度は、これまで誰も測定したことがなかったが、今回2.2m望遠鏡のク-デ分器を用いた空間作動計測法による観測で、非常に高い精度のデ-タを得ることができた。これにより、現在製作中のOH夜光除去分光器は、当初の設計値にほぼ等しい性能が期待できることが確認された。ハワイ大学のレノックス・カウイ博士らと共同で立案、推進しつつあるOH夜光除去型分光器が当初の計画どうり平成4年度中に2.2m望遠鏡に装備されることになる。さらに、すばる望遠鏡の観測器に発展させる基礎が固まった。
2.井上允、宮地竹史は、平成4年2月13日〜24日にわたり、アメリカ合衆国ハワイ州マウナケア天文台JCMT15m望遠鏡を使って、チリのSEST、アメリカのOVROのミリ波・サブミリ波望遠鏡を結んだ波長1ミリのVLBI実験を行った。これは波長1ミリという短波長では、世界初の国際実験であり、これまでにない20マイクロ秒角の高分解能が得られる。VLBIはデ-タ収集後、相関処理して干渉パタ-ンを検出しなければならない。この相関処理は野辺山で建設している新型相関器で行われることになっている。干渉パタ-ンが検出されるまで成功したかどうか断定できないが、この実験が成功すれば、驚異的な分解能で活動銀河中心核の本質に迫っていくことが可能になり、ミリ波でのVLBIという、この分野における超高空間分解能の研究の新たな道を切り開くことになる。
3.小林行泰は現代天文学を推進している世界各地の天文台や研究所における技術状況の視察を行った。マックスプランク研究所(独)、グリニッチ王立天文台(英)、エデインバラ王立天文台(英)、セロトロロ全米天文台(チリ)、ヨ-ロッパ南天文台(チリ)、リック天文台(米)を訪れ、各地で視察するとともに、技術者と討論を行ってきた。いずれも天文観測機器の開発を重視して、精力的に取り組んでいる。今回の視察でそれぞれの体制、方法は異なっているものの、技術者、設備等がわが国と比べて、はるかに充実しており、今後の国内機器開発体制充実の必要性を痛感した。今後のわが国における技術基盤の整備、増強を計るべく、マスタ-プランを作成しつつある。その他、赤外線検出器の製造会社であるロックウエル科学センタ-を訪問し、検出器開発の最新情報を入手した。

研究成果

• [文献書誌] T.Maihara: "A Study of the Spatially-Resolved T Tauri System" Astro.Astrophs.249. 392-396 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] H.Kataza: "Discovery of a sub-arsec Halo Structure around Elias 1" Astro.Astrophys.248. L1-L4 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] K.Mizatani: "3.3 μm Spectra of Four IRAS Sources" Astron.J.103. 927-930 (1992)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] L.B.Baath: "The Microarcsecond structure of 3C273" Astro.Astrophys.241. L1-L4 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] L.B.Baath: "VLBI Observations of Active Galactic Nuclei at 3 mm" Astron.Astrophys.
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] K.Akabane: "Radio Contiuum around NGC 7538-IRS1" Proc.Astron.Soc.Australia. 9. 118-125 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] R.Nan: "Improved VLBI Images of Four 3CR CSS Quasars at 50cm" Publ.Astron.Soc.Japan.
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] T. Maihara: "A Study of the Spatially-Resolved T Tauri System" Astron. Astrophys.249. 392-396 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] H. Kataza: "Discovery of a sub-arsec Halo Structure around Elias 1" Astron. Astrophys.248. L1-L4 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] K. Mizutani: "3.3 mum Spectra of Four IRAS Sources" Astron. J.103. 927-930 (1992)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] L. B. Baath: "The Microarcsecond structure of 3C273" Astron. Astrophys.241. L1-L4 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] L. B. Baath: "VLBI Observations of Active Galactic Nuclei at 3 mm" Astron. Astrophys.submitted.
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] K. Akabane: "Radioi Continuum around NGC7538-IRS1" Proc. Astron. Soc. Australia. 9. 118-125 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より