研究分担者 |
杉本 理 スタンフォード大学, 電気工学科, 客員研究員
小林 広明 東北大学, 工学部, 講師 (40205480)
萩原 将文 スタンフォード大学, 心理学科, 客員研究員 (80198655)
後藤 英介 国立予防衛生研究所, ウイルスリケッチア部, 厚生技官 (90215484)
深瀬 政秋 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10125643)
長谷川 勝夫 東北大学, 大型計算機センター, 助教授 (70004463)
MICHAEL FLYN スタンフォード大学, 計算機システム研究所, 教授
FLYNN Michael J Professor, E.E.Department, Stanford University
MICHAEL Flyn スタンフォード大学, 計算機システム研究所, 教授
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研究概要 |
1.研究活動の要約 本研究では,スーパーコンピュータの構成に向けての基本設計概念を命令セットレベルで作成することを目的として,スタンフォード大学と共同研究を行うことを計画した。このために,研究代表者と研究分担者(長谷川勝夫,深瀬政秋,萩原将文,小林広明,杉本理)は合計35回の研究連絡会議を開いた。その内訳は (1)スタンフォード大学において21回, (2)研究分担者(Michael j.Flynn教授と杉本理)を東北大学に招へいして7回, (3)研究分担者(後藤英介)を交えて東北大学で7回, である。これらの研究連絡会議には,オブザーバーが適宜討論に参加した。 2.研究方針 これらの研究連絡会議において,はじめにスーパーコンピュータの汎用化に向けて頭脳の左脳と右脳の機能を計算機科学の範疇で整理した。次に,本研究では入出力部のRIGHTコンピュータと処理部のLEFTコンピュータで超越スーパーコンピュータを構成することを目指すことを決めた。 3.LEFTコンピュータに関する研究実績 LEFTコンピュータについては,ベクトル演算の他にスカラー演算,論理演算,言語処理等が従来の処理速度を1桁以上上回る命令レベル中心の計算機アーキテクチャの設計を行うことを計画した。ジェットパイプライン,ウエーブパイプライン,シンボリックアーキテクチャの研究を行ったことにより,この項目はかなりの程度まで達成した。 (1)ジェットパイプライン ジェットパイプラインは,フォンノイマン型計算機に属するほとんど全てのプロセッサを1つのプロセッサに集積化したものである。ジェットパイプラインによるリバモアループの処理時間に関して,従来のフォンノイマ型計算機に関する概念では説明することのできない興味ある成果が得られた。 (2)ウエーブパイプライン 従来の画一化されたパイプライ方式の待ち時間の無駄を解消するウエーブパイプライン方式の研究を行った。ウエーブパイプラインをシリコンチップ上に最適に配置することに関して有用な知見が得られた。 (3)シンボリックアーキテクチャ LEFTコンピュータを構成するための第3のアーキテクチャとして,リスト構造に対する新しい並列処理システムであるシンボリックアーキテクチャの研究を行った。シンボリックアーキテクチャの構造に対するリストの処理速度の依存性に関して,興味ある結果が得られた。 4.RIGHTコンピュータに関する研究実績 RIGHTコンピュータについては,OSレベルアーキテクチャからマイクロ命令レベルの計算機アーキテキチャに亘る一貫した設計論の検討を計画した。このため,ニューロコンピュータとファジイコンピュータの従来の成果を検討した。医学的な見地から新しい右脳のモデルの検討が必要であることが明かとなった。REGHTコンピュータの構成要素として以下のような研究を行った。 (1)過疎分散方式メモリ 連想記憶方式の過疎分散方式メモリを,これまで方式或いはアルゴリズムの確立されていなかったパターン認識に応用した。この研究を通して,過疎分散方式メモリはアナログモデルのパターン認識をデジタル処理と結合できることが明らかとなった。 (2)意志志向計算機(MOC) 人間の想像性にかかわる計算機としてMOCを提案し,右脳の機能実現に対するMOCの可能性を検討した。 (3)新しい右脳型計算機 ニューラルネットワークに基づく新しい右脳型計算機の研究を行った。学習アルゴリズム,連想メモリとその性能評価に関して有用な知見を得た。
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