研究分担者 |
TEPFER M フランス, INRAベルサイユ研究所, 主任研究員
SANGWAN R.S. フランス, ピカルディー大学, 教授
GUERN J フランス, CNRS植物科学研究所, 室長
DELESENY M フランス, ペルピニョン大学, 教授
藤井 正 (藤伊 正) 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20011611)
佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70196236)
野村 港二 筑波大学, 農林学系, 講師 (00183905)
猪口 雅彦 岡山理科大, 理学部, 助手 (00213190)
小野 道之 秋田県農業短大, 生物工学研究科, 講師 (50201405)
酒井 慎吾 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60033388)
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00169608)
石川 恵子 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20212839)
DELSENY M フランス, ペルピニョン大学, 教授
OTTEN L フランス, 植物分子生物学研究所, 室長
SANGWAN R S フランス, ピカルディー大学, 教授
京 正晴 香川大学, 農学部, 助教授 (70195395)
BLONDON F. フランスCNRS植物科学研究所, 主任研究員
QUETIER F. 南ハ゜リ大学(フランス), 教授
WEIL J. 植物分子生物学研究所(フランス), 教授
TEPFER M. INRAベルサイユ研究所(フランス), 研究員
DELSENY M. ペルピニャン大学(フランス), 教授
RANJEVA R. ポールサバティエ大学(フランス), 教授
下村 講一郎 厚生省, 国立衛生試験所, 室長
谷本 静史 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20217152)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1991年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
植物バイオサイエンス分野、特に、不定胚形成をはじめとする高等植物の各種形態形成、植物ホルモンによるシグナル伝達、植物遺伝子の発現調節機構等について日仏国際共同研究を3年間実施した。 1.不定胚および接合胚の発生に関する分子機構:日本側では、不定胚形成能のある細胞では検出されるが、不定胚形成能を消失した細胞では検出できない数種の特定タンパク質(ECP)をニンジンで同定し、そのタンパク質をコードするcDNA(ECP31,ECP40,ECP63)も単離した。一方、フランス側では、ニンジンのECP31遺伝子と高い相同性を示すcDNAの部分クローンをシロイヌナズナの未熟種子由来のcDNAバンクから1つ単離した。このようなcDNAクローンについては、互いにその遺伝子を交換すると共に、関連の各種情報を交換しており、このような遺伝子の生理機能を探るための共同研究を今後も実施する予定である。一方、日本側では、不定胚の乾燥耐性獲得に関与する分子機構の研究を進めており、特にアブシジン酸処理によってニンジン不定胚が強い乾燥耐性を獲得することから、アブシジン酸によって発現が誘導される遺伝子のクローニングとアブシジン酸の情報伝達において主要な働きを演じる遺伝子の探索を進めている。このようなアブシジン酸の情報伝達において主要な働きを演じる遺伝子がフランス側の研究で単離されていることから、この遺伝子に関する情報交換を行い、現在、この類似遺伝子をニンジンからクローニングする研究が進められている。 2.植物ホルモンのシグナル伝達:日本側では、各種植物ホルモンに結合するタンパク質を各々数種植物の胚軸から単離した。日本側研究者が1992年及び1993年にフランスの研究所を訪問し、オーキシン結合タンパク質の単離に関して共同研究を実施した。その結果、フランス側の有する材料であるブドウの懸濁培養細胞から、オーキシン結合タンパク質1種を部分精製することに成功した。精製法に関する技術はフランス側に伝達されたので、現在フランス側においてその完全精製を進めている。一方、タバコ未熟花粉からの不定胚形成について日本側研究者が、未熟花粉の脱分化にはタンパク質のリン酸化が関与することを明らかにした。この点を踏まえ、この日本人研究者がフランスの研究所を訪問し、シロイヌナズナのリン酸化タンパク質のクローニングを共同で進め、数種のプロテインカイネース遺伝子をクローニングした。現在、このクローニングした遺伝子の機能解析をフランス側が進めており、同時にタバコの類似遺伝子のクローニングを日本側で進めている。 3.植物遺伝子の発現制御機構:日仏共同研究によって、TiプラスミドT-DNA上の数種遺伝子について、そのプロモーター領域が単離され、GUSレポーター遺伝子と結合された。このキメラ遺伝子はAgrobacteriumを介した遺伝子導入法によってタバコに導入された。Tiプラスミドのtmr遺伝子のプロモーター領域を結合したGUSレポーター遺伝子(Ptmr-GUS)を有するタバコでは、そのGUS遺伝子の発現は植物ホルモン処理によっても影響を受けず、構成的な発現をすることが明らかとなった。また、Ptmr-GUS遺伝子を導入したニンジン細胞の作成にも成功し、現在、このようなニンジン培養細胞から作成した不定胚におけるこのキメラ遺伝子の発現を調査中である。一方、フランス側では、興味ある発現を示すリボソーム遺伝子をクローニングし、この遺伝子のプロモーターに結合する遺伝子のクローニングを日仏共同で進めている。 4.日仏ワークショップ:1991年には、植物バイオサイエンスに関する日仏ワークショップをフランスで開催した。この会議には、日本・フランス双方ともに10人以上の研究者が出席し、互いの研究内容や研究現状について発表すると共に、類似の研究を進めている研究者間で共同研究実施の打ち合せが行われた。1993年は、同じ日仏ワークショップを日本で開催し、やはり日本・フランス双方からともに10名以上の研究者が出席し、日仏共同研究の成果が報告されると共に、今後の共同研究について打ち合せが行われた。その結果、今後も機会ある毎に日仏共同研究を進めると共に、常に情報の交換を行うこととなった。
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