研究課題/領域番号 |
03044044
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小竹 進 東京大学, 工学部, 教授 (30013642)
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研究分担者 |
MAJUMDAR Aru アリゾナ州立大学, 工学部, 助教授
FLIK Markus マサチュセッツ工科大学, 工学部, 助教授
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高温超伝導物質 / 薄膜の熱伝導物性 / 素子集積化 / 分子熱工学 |
研究概要 |
高温超伝導の最も可能性のある応用分野は、ジョセフソン素子と考えられているが、その集積化に当っては温度場に対する熱工学的考察、特に分子伝熱工学的な考察が不可欠である。しかし、超伝導〓の熱物性値も十分に測定されていない現状においては、集積化に伴う熱的な問題はほとんど研究されていない。そこで本研究では、高温超伝導メカニズムにも直接関係する高温超伝導物質の熱伝導・輻射熱物性を分子熱〓〓モデルにより解析するとともに、異方性の強い多層薄膜の熱伝導、素子群のパルス電流により生じる磁場と〓〓〓との相互干渉について研究を行い、高温超伝導素子を集積化するために必要な熱的問題点を総合的に明ら〓〓〓ることを目的とする。 研究は大きく3課題にわけられ、高温超伝導材の熱伝導および輻射熱物性、高温超伝〓〓〓の熱的相互干渉および素子間の電磁場と温度場の相互干渉について共同研究を行った。 1.高温超伝導物質の熱伝導および輻射物性の研究 各固体分子の原子振動と電子対を含む電子運動の分子動力学およびBoltzmann方程式〓〓〓て、高温超伝導材の熱伝導および輻射熱物性の研究をおこなった結果、高温超伝導結晶材は方向により金属〓〓い熱伝導と半導体に近い熱伝導をしめすが、その場合でも臨界温度以下での熱輸送は電子運動よりも原子〓〓〓によって行われること、したがって臨界温度以学で熱伝導率が最大値をとる場合があることを明らかにした。〓た、結晶の大きさあるいは薄膜の厚さが原子振動の相関大きさのオ-ダになると結晶境界で温度の不連続〓近い変化が起り、熱伝導は輻射による熱輸送特性をしめす。このような現象は温度が低いほど大きな結晶寸法あるいは薄膜寸法で現われる。 2.多層薄膜の熱的相互干渉の研究 素子寸法を極端に小さく、かつ熱的性質の異方性が強い薄膜を集積するために、その熱物性を大きく支配する熱的な相互干渉の詳細な知識が必要である。薄膜素子の境界においては原子振動伝播お〓び電子運動の分散反射などの不連続がおこり、熱伝導は薄膜厚さ方向および薄膜長さ方向ともに薄膜境界の影〓を大きく受ける。超伝導素子の場合その影響は温度によって大きく異なり、結晶の金属性方向では臨界温度以上では電子運動の境界条件によって臨界温度以下では原子振動の境界条件によって大きく支配され、半導体性方向ではつねに両者の境界条件に支配される。このような境界効果が支配的になる薄膜厚さあるいは素子大きさは、常〓で100nmのオ-ダであるが金属では温度のほぼ3乗に半導体では4乗に反比例して大きくなる。これらの〓〓が素子の集積化寸法の熱的制限をきめる。 3.素子間の電磁場と温度場の相互干渉の研究 高温超伝導素子の限界電流はその安定性を支配するが、限界電流は異方性を持ち、かつ素子群の電流により生じる磁場と温度に大きく依存する。素子の限界電流は局所臨界電流密度を電流の直角方向に面積積分した電流値より小さなければならないが、局所臨界電流密度は磁場と温度の関数である。温度の〓〓〓熱伝導特性の異方性と素子あるいは結晶の寸法効果を考慮しなければならず複雑である。簡単な素子集積化に〓してその検討を試みたが、素子の集積形状に大きく支配されることが分った。
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