研究分担者 |
JEFFREY A HU テキサス大学, オースチン校, 助教授
NANCY B JACK テキサス大学, オースチン校, 研究員
RUBEN MAIDEN テキサス大学, オースチン校, 研究員
ADAM HELLER テキサス大学, オースチン校, 教授
加藤 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (70214377)
馬場 凉 東京大学, 工学部, 助手 (70198951)
橋本 和仁 東京大学, 工学部, 助教授 (00172859)
HUBBLL Jeffsey A. University of Texas at Austin : Associate Professor
JUCKSON Nancy B. University of Texas at Austin : Researcher
MAIDAN Ruben University of Texas at Austin : Researcher
HELLER Adam University of Texas at Austin : Professor
HABBELL Jeff テキサス大学, オースチン校, 研究員
JACKSON Nanc テキサス大学, オースチン校, 研究員
MAIDAN Ruben テキサス大学, オースチン校, 研究員
HELLER Adom テキサス大学, オースチン校, 教授
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研究概要 |
本研究においては,研究代表者がこれまで重点的に研究してきた半導体及び金属の電極反応に開する技術と,相手側研究代表者らが最近開発した,新規な酵素の電極上への固定法とを組み合わせて, (1)全く新しいタイプの光電気化学的バイオセンサーを構築し, (2)生化学的に重要な物質の選択的な電気化学的検出を行うことを目的として種々の検討を行った。すなわち,酵素の持つすぐれた選択性と,半導体の持つ光応答性(高感度検出能)とを兼ね備えた新規なセンサーの作製を目的とした。 半導体電極はこれまでおもに,エネルギー変換材料としての興味から研究されてきた。また,これまで研究されているバイオセンサーは,ほとんど通常の電極反応と組み合わせ,信号を電気信号として検出する方式を採用している。本研究では検出法方として光を導入することにより,全く新しい方式のバイオセンサーの開発を試みた。さらに,酵素を化学修飾した半導体電極を用い,太陽エネルギーを利用した選択的な生化学物質の酸化還元反応系の基礎研究を実施した。 具体的には以下の4項目について検討を行った。 (1) 酵素を酸化物半導体上に化学修飾する手法の探索 従来知られている化学修飾方法を応用して以下の方法で酵素を修飾した。すなわち,オスミウムビピリジル基を反応中心とする導電性ポリマー中に酵素(グルコースオキシダーゼ,ペルオキシダーゼ)等を包括固定し,これを電極上に修飾した。これにより酵素から電極上への電力移動の効率が飛躍的に向上し,センサーの高感度化が達成された。また水溶性のポリマーを出発原料として使用したことにより,センサーの長期安定性が向上した。 (2) 酸化タングステン,酸化モリブデンのフォトクロミック特性に関する基礎研究 アルコールやギ酸,アルデヒド等の存在下におけるフォトクロミック特性について検討を行った。また反応機構を調べる目的で,初期過程の動力学的検討を行った。 (3) 酵素で酸化モリブデン,酸化タングステン上に固定した光生化学センサーの作製 酵素反応で生成するアルコールと,アルコール存在下での金属酸化物のフォトクロミズムの増幅作用で組み合わせることにより,高感度の光生学センサーの作製を試みた。光の導入法としては,光導波路法を用いた。特にモニター光導入のためのグレイティング作製法について改良を行った。 (4) 微小センサーの作製及びその評価 生体内分析,あるいは局所分析へ応用する目的で,センサーの微小化について検討を行った。径7μmのカーボン微小電極上に,(1)の方法により酵素(ペルオキシダーゼ)を固定し,微小過酸化水素センサーを作製した。得られたセンサーは過酸化水素に対して,広い濃度範囲で直線的な応答を示した。またセンサーの微小化により,応答電流密度が1ケタ以上向上することがわかった。この微小過酸化水素センサーは今後,生体内で白血球などから産生される過酸化水素や,電極反応中間体としての過酸化水素の検出への応用が期待される。 上記の成果を共同研究した場所を中心にまとめると以下のようになる。 (1) オスミウムビピリジルを反応中心としたポリマーを用いる.半導体,金属上への新規酵素固定法の開発を行った。(テキサス大) (2) (1)の方法を用いて作製したセンサーの微小化,及び微小過酸化水素センサーを利用した局所分析を行った。(東大,テキサス大) (3) アルコール等の存在下での,酸化物半導体のフォトクロミズムの増幅作用の機構の解析 (東大) (4) 酵素反応と,(3)の増幅作用を組み合わせた新規光生化学センサの作製及びその評価 (東大,テキサス大)
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