• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

フリーア美術館所有の日本・東洋美術品の保存状況と修復方法の共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044058
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京芸術大学

研究代表者

澄川 喜一  東京芸術大学, 美術学部, 学部長 (10015232)

研究分担者 長澤 市郎  東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (40172522)
小野寺 久幸  東京芸術大学, 美術学部, 客員教授
岡 興造  東京芸術大学, 美術学部, 非常勤講師
寺内 洪  東京芸術大学, 美術学部, 非常勤講師
小町谷 朝生  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (60018629)
田淵 俊雄 (田淵 俊夫)  東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (20179865)
坂本 一道  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50107330)
佐藤 一郎  東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (30143639)
大西 長利  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70015270)
増村 紀一郎  東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (00157215)
稲葉 政満  東京芸術大学, 美術学部, 講師 (50135183)
前野 尭  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (20015233)
BEACH Milo C  フリーア美術館, 館長
FEINBERG Rob  フリーア美術館, 理事
杉下 龍一郎  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (40015227)
新山 榮  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30015242)
馬淵 久夫  東京芸術大学, 美術学部, 客員教授 (30011498)
中里 寿克  東京国立文化財研究所, 修復技術部, 室長 (20000458)
ROSENFIELD J  ハーバード大学, 教授
原 正樹  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70107332)
小松 大秀  東京国立博物館, 工芸課, 漆工室長 (90090927)
中野 正樹  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (10000332)
手塚 登久夫  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (90114842)
浅井 和春  東京国立博物館, 法隆寺宝物室, 主任研究官 (60132700)
水野 敬三郎  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50015228)
海老根 聰郎  東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (30000350)
辻 茂  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (20015225)
山川 武  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (00015223)
福井 爽人  東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30015284)
清水 義明  プリンストン大学, 終身教授
平山 郁夫  東京芸術大学, 学長 (10015224)
研究期間 (年度) 1991 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1991年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
キーワード保存修復 / 保存技術 / 保存科学 / 教育 / 美術館
研究概要

本研究プロジェクトは、広く海外所在の日本・東洋美術品の保存修復に係る調査研究の一環として、在米日本・東洋美術品の日米保存修復研究者による共同研究である。我が国の美術品は、固有の材料・技法をもって制作されるが、異なる風土的環境下でどのような特質的被害を生ずるかは従来研究されていなかった。たまたま米国フリーア美術館所有品に修理すべき必要が生じ、本学を含む我が国の工房で修復処置を行った。その機会に保存修復に関する調査研究が実施された。本プロジェクトの目的は、とくに絵画、彫刻、工芸についての保存修復の実情を調査することにあった。具体的には、本学側においては米国の美術館等の保存修復の方法、哲学、施設的・人員的規模等を調査し、フリーア美術館側は我が国の最高レベルの修復技術(装こう)とその工房の実態、すなわち施設、用具、手法、人員等を調査し、相互の研究結果を共同討議した。3年度間の研究成果概要を以下箇条書きで示す。
1)フリーア美術館付属保存修復施設をはじめ6美術館(ナショナルギャラリー、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ゲティー美術館、ロード・アイランド・スクール・オブデザイン付属美術館)の保存修復施設、及び3大学の保存修復教育課程(ニューヨーク大学保存修復センター、デェラウェア大学保存修復プログラム、ニューヨーク州立大学バッファロ-校)を調査した。
2)美術館及び収蔵庫並びに付属の研究室、工房は、一定範囲の温湿度(フリーア美術館の場合は温度68〜70゚F、湿度50〜55%、ただし日本の美術品に対しては湿度65%で管理する等、その数値は美術館により若干変化の幅がある)にコントロールされる。我が国の修復は自然な環境下で行われるから、そのような点に経験度の関与が必要となる一つの理由が見いだされる。しかし、完全な人工管理環境下での修復が特質的な材料・技法を満足させるものであるか否かの解明は、今後の研究課題である。
3)CAL(保存修復分析研究所)やGCI(ゲティー保存修復研究所)のような高度精密分析専門機関は我が国にも必要である。
4)米国の美術館は保存修復施設並びに専門研究者を必備のものと考え、展示部門ときわめて密接な関係をもって管理運営し、コンサバタ-の権威が確立されている。その点での我が国の現状は、当事者の間での関心は高いが、配備としては皆無に近い。
5)大学院の教育課程は科学な計測・分析修得を主としながら、同時に物に対する経験を重視する姿勢を基本としており、その点で本学の実技教育に共通するところがある。米国の保存修復高等教育機関のシステムを知り得たことは、本学で予定している保存修復分野の拡充計画立案に大変参考になった。
6)保存修復に対する考え方は米国内においても研究者による異同があり、修復対象作品に良いと判断される方向で多少の現状変更を認める(従来の我が国の修理の考え方)立場と、現状維持を絶対視する立場とがある。現状維持は、将来さらに良い修復方法が発見された場合に備える、修復箇所の除去可能を前提とする考え方である。保存修復の理想的なあるべき姿の探求は、今後の重要な国際的な研究課題である。
7)それは漆工芸等においてはとくに慎重に検討されるべき課題であり、彼らには漆工芸の基礎的知識不足が目立つ。そのような我が国固有の材料、技法面についての情報提供、技法指導などの面での積極的交流が今後とくに必要であろう。逆に建築分野は彼らが先進している。
8)米国研究者は我が国の工房修復を実地に体験し、深く感銘した。それは装こう技術が脳手術のようだという称賛の言葉となって表れた。
9)ミーティングにおける主要話題は、保存修復は現地で行われるべきであり、それを可能とする人材養成が必要である。保存修復教育には時間がかかることはやむを得ない、期間として6年位が目安となろう。科学教育は大学で行われるべきだが、日本画に限れば工房教育がよい、などであった。

報告書

(3件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 1992 実績報告書
  • 1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi