研究課題/領域番号 |
03044072
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小澤 高将 (小澤 高將) 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
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研究分担者 |
NAGLEY Phill モナッシュ大学, 医学部, 教授
LINNANE W.An モナッシュ大学, 理学部, 教授
田中 雅嗣 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60155166)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 電子伝達系酸素欠損 / ミトコンドリア脳筋症 / 遺伝子変異 / 欠失 / 活性酸素ラジカル / 加齢現象 / 退行性病変 / 電子伝達系酵素欠損 |
研究概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)変異蓄積機構について研究した。 1.これまでに43例以上のヒト個体においてmtDNAの全塩基配列を決定し、合計70万塩基対のデータを得た。蛋白質を規定する翻訳領域に約300ケ所の点変異が見いだされた。同義置換が高い頻度で生じていたが、非同義置換を引き起こす変異も、同様に、高い頻度で生じていた。実際にアミノ酸の変化を引き起こす非同義置換の割合は35%に達した。このうち有害性の強い変異は、世代から世代へ伝達されず、流産・早産ないし小児疾患として発現し、有害性の弱い変異遺伝子は、その遺伝子を持った個体が生殖年齢に達した後に異常な形質として発現する、あるいは特定の外的、内的因子に曝された時にはじめて疾患として顕在化するものと考えられた。また同義置換部位での塩基置換の頻度を解析した結果、mtDNAの二つの鎖すなわちH鎖とL鎖の間で突然変異の発生頻度が大きく異なることが明らかになった。 2.本研究によって、個体が加齢あるいは疾患に伴って変異を獲得する体細胞変異が、極めて速い速度で起きることが初めて明らかにされた。特に細胞分裂終了細胞から構成される中枢神経系あるいは筋組織において顕著であった。許容される変異遺伝子の量がある一定の閾値を越えると疾患として発現してくると考えられる。 3.mtDNA変異の蓄積の機構において、電子伝達系から漏出する活性酸素ラジカルによるmtDNAの損傷が重要であることを明らかにした。心筋あるいは横隔膜のmtDNAを加水分解し、その質量分析により8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)を定量すると同時に、欠失mtDNAをPCR増幅法により解析した。その結果、加齢に伴って8-OH-dGの量と欠失mtDNAの量が平行して指数関数的に増大することを初めて示した。酸化的損傷によって生じた8-OH-dGが二次的にmtDNAの点変異や欠失を引き起こすものと考えられる。
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