研究課題/領域番号 |
03044078
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
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研究分担者 |
WEINSTEIN Al カリフォルニア大学, バークレー校, 教授
STAPP Henry カリフォルニア大学, ローレンス・バークレー研究所, 主任研究員
竹井 義次 京都大学, 理学部, 助手 (00212019)
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80159285)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | WKB analysis / Sーmatrix / microlocal analysis / algebraic analysis / infrared problem / Feynman integral / sigular peturbation / turning points |
研究概要 |
本年度のバ-クレ-グル-プとの共同研究(平成3年7月〜9月に実施)の主要な成果は次の2つであった。 1°赤外発散を含んだSー行列の摂動展開に対しStappに依り数年前に提唱された或る新しいapproachの数学的裏付を試み、少くともQーQ項に関しては満足すべき結果が得られた。但し(観測にはかからない)QーC項の扱いは当初の予想に反して、種々の困難に遭遇し平成3年度内には数学的構造を解明することはできなかった。QーQ項の解析は特殊なdesingularizationを行って特異性の超局所解析を行い易い形に話を持っていく、と云う方法に拠り成されたものであり、他の問題にも応用可能な手法であろう、と期待している。 2°上述の摂動展開は所謂“特異摂動"の典型的な例である。数学的課題としてこのような発散級数のボレル総和法に基いた“exact"な取扱を試みた。話を具体的にする為、高階常微分方程式のWKB解を材料に、計算機実験も交えつつ行った研究の結論はかなり意外な物であった。即ち、通常考えられる“変り点"から出るスト-クス曲線のみではボレル総和の確定する領域を記述し得ず、元来の常微分作用素に含まれるlarge parameterに関してボレル変換を行って得られる偏微分作用素の陪特性曲線の自己交又点をも“新しい変り点"として考慮せねばならぬ、と云う事実が明らかにされた。議論の途中に超局所的な話が出てくることは予想通りであったが、大域的な部分で陪特性曲線と云う超局所的概念が再び絡んできたことは極めて示唆的と思われる。この結果はかなりニュ-ス価値があると思われたので、10月にフランスで開かれた特異摂動に関する日仏セミナ-で青木・河合・竹井三人の連名で報告を行った。
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