研究分担者 |
SESHAMANI V ナンヤン, ポリテクニクス・経営管理学部, 学部長
佐賀 健二 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (00225830)
FONG Chan On マレーシア文部省(前マラヤ大教授), 副大臣
増山 裕 さくら総合研究所, 主任研究員
DEKLE Robert ボストン大学, 国際関係学部, 助教授
入江 恭平 中京大学, 経営学部, 助教授 (80232627)
CHIA Robert , 国際コンサルタント(前シンガポール大)
LUK Yim Fai 香港中文大学, 経済学部, 講師
都野 尚典 長岡大学, 経済学部, 教授 (40039798)
安部 忠彦 長銀総合研究所, 主任研究員
SMITKA Micha ワシントン, リー大経済学部, 助教授
LIM Chee Pen ESCAP(国連), エコノミスト
青木 健 国際貿易投資研究所, 主任研究員
SESHAMANI V. シンガポール. ポリテクニクス, 経営管理学部, 副学部長
JAO Yu Ching 香港大学, 経済学部, 教授
LIM Chee pen ESCAP(国連), エコノミスト
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研究概要 |
1 80年代後半以降太平洋の西岸のアジアに地域経済を形成する勢いでダイナミックな経済的発展が認められるアジア経済ダイナミズムはASEANや中国など発展途上国を核に先進経済地域である日本やアジアNIESが推進力となって進展している。従来日米間の関係としていわば単純座標軸を基盤に形つくられていたアジア太平洋経済が,日本-北米,日本-アジアNIES-ASEAN・中国,米国-アジアNIES-ASEAN・中国という多面的な相互依存関係を形成する一方で,アジア地域経済圏と北米経済圏という地域経済相互関係に転換する気配さえ示しはじめている。平成3(91)年-平成4(92)年の両年,このようなアジア太平洋経済の構造的転換のもとでサービス経済がどのように変化してきたか,とくに(1)生産・R&Dシステムの変化,(2)金融システムの変容,(3)通信・運輸・物流の側面から研究調査をすすめた。 2 平成3年度には,7月-8月に米国共同研究者Michael SmitkaおよびRobert Dekleを招聘し,共同研究および日米研究者の研究討論会を開催した。平成4年1月17-18日には日本人研究者によるASEAN・香港・台湾で調査を実施する一方で,チェンマイ大学経済学部の協力を得て,日本,タイ,シンガポール,インドネシア,フィリピンの共同研究者並びに研究協力者が参加する研究討論集会を開催した。第一セッションは「多国籍企業とアジア太平洋経済の相互依存」で青木健,Chee Peng Lim(ニューヨークでの緊急会議のためペーパー堤出,Mingsarn Kaosa-ardの代行),徳永正二郎,Thee Kian,Wie,Seshamani,増山裕が生産,投資,物流の諸側面から報告をした。第二セッション「アジア金融市場の発展」では都野尚典,Robert Chia,Mario Lamberteが報告し討論した。 3 平成4年6-7月にはアジア地域の共同研究者を招聘して日本企業,研究機関その他で調査研究をすすめた。とくに7月27-28日には九州大学が主催した「アジア太平洋経済はどう動くか-アジア太平洋経済:競争と協調の時代」の第二セッション「多国籍企業とアジア太平洋」および「変わるアジア太平洋の金融構造」に参加し,日本を含むアジア太平洋11ヵ国165名の学者・研究者と活気溢れる討論を行った。 同年9月には情報通信,R&D,国際物流を担当する日本側共同研究者(佐賀健二,安部忠彦,徳永正二郎)が訪米し,米国研究機関,大学,日系企業を中心に調査研究を行い,かつボストン大学で米国共同研究者と研究打合せ会をもった。 平成5年1月23-24日には九州大学で国内共同研究者に研究協力者を加え,国際物流,アジアネットワーク,アジア地域経済圏形成の意義,アジア経済の発展とベンチャー・キャピタルの役割について研究討論をし,併せて研究全体を総括する打合せ会を開催した。 4 本研究では当初アジア太平洋をひとつの経済圏として把握し,生産・R&D,金融,情報通信・物流という環太平洋サービス経済システムについて調査研究する予定であった。日本企業の海外事業活動(生産,R&D,金融,情報通信・物流等)というミクロの視点からみると,たしかにアジア太平洋を網羅するネットワーク形成がみられるが,マクロ的にはアジア経済圏のダイナミズム,自立的発展に焦点を合わせるものとなった。これはアジアの時代といわれるほどにアジア経済がひとつの経済圏域として成長している現実に由来する当然の帰結というべきであろう。今後アジア経済圏と北米経済圏という地域経済相互間の関係を分析する必要性を強く感じた。 5 研究成果は,個別に発表する一方で,全体としてWhich Direction is the Asis-Pacific Moving towards:Intra-Pacific Economic Competitiveness and Cooperation,『アジア経済ダイナミズム-日本の直接投資とアジア太平洋経済の変貌』およびJapan's Foreign Investment and Asis-Pacific Economic Systems(仮題)として公刊される。
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