研究分担者 |
P.D Morgan JET共同研究機構. 実験第一部門, 主任研究員
P Nielsen JET共同研究機構. 実験第一部門, 主任研究員
D.D.R Summer JET共同研究機構. 実験第一部門, 主任研究員
C Gowers JET共同研究機構. 実験第一部門, 主任研究員
A.E Costley JET共同研究機構. 実験第一部門, グループリーダー
御手洗 修 熊本工業大学, 助教授 (00181925)
松尾 敬二 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (10199755)
梶原 寿了 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (00185779)
矢野 栄宣 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (20117279)
内野 喜一郎 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (10160285)
益田 光治 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (40038097)
P.E Stott JET共同研究機構, シニア・スタッフ・実験第一部門, 部門長
MATSUO K Kyushu University
KAJIWARA T Kyushu University
UCHINO K Kyushu University
YANO H Kyushu University
MASUDA M Kyushu University
SUMMERS D.D. JET共同研究機構, 実験第I部門, 主任研究員
MARGAN P.D. JET共同研究機構, 実験第I部門, 主任研究員
GOWERS C. JET共同研究機構, 実験第I部門, 主任研究員
NIELSEN P. JET共同研究機構, 実験第I部門, 研究員
COSTLEY A.E. JET共同研究機構, 実験第I部門, グループリーダー
STOTT P.E. JET共同研究機構, 実験第I部門長, シニアスタッフ長
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研究概要 |
本研究の目的は,核燃焼プラズマの物理量を限られた観測孔から求めるために,本研究代表者らが開発してきたレーザー応用プラズマ計測法を,世界最大で最も高い成果を挙げている核融合実験装置であるJETプラズマへ適用し,有効性を験すことである。そのために,(1)電子温度・密度を空間分解能高く,しかも経時変化の詳しい測定を行う,(2)プラズマ閉じ込め性能を決めている電子密度揺動を詳価する手法を検討する,(3)磁界で閉じ込められた核反応生成α粒子の密度およびエネルギー分布関数をジャイラトロンを用いた協同トムソン散乱で測定する可能性について検討する,の三つのテーマを進めてきた。それぞれについて得られた成果は次の通りである。 (1)電子温度・密度の精度の高い計測法として,レーザートムソン散乱法が広く用いられてきたが,レーザーをプラズマに入射し,また散乱光を受光する二つの大きな観測孔を要することが欠点であった。レーダーの原理をトムソン散乱に用いたライダー(LIDAR)トムソン散乱法はこの弱点を克服する方法として提案され,一定の成果を挙げてきたが,空間分解能110mm,時間分解能2秒ごと,は十分なものではなかった。そこで,空間分解能を決定している要因である光検出器にストリークラメラを導入する可能性を検討してきた。平成3年度前半までの較正の結果,それが実施できるとの結論が得られたので,主として平成3年度後半と平成4年度前半に,JETでの実験および解析を実施し,結果を得た。それにより,空間分解能50mm,最小検出電子密度1×10^<18>m^<-3>が得られ,十分実用い耐えることがわかった。 これを用いて,ペレット入射時や,Hモード運転時のような急峻な電子密度こう配がある場合のデータ収集を行った結果,従来のフォトマル方式では空間分解能が不十分なためならされて現れなかったプラズマ構造が明らかになり,大きな威力を発揮した。 時間分解能を向上させるためには,レーザーのくり返しを上げることが必要であり,そのための新しい方式を提案した。 (2)電子密度揺動測定に関しては,二つの方向から検討を進めた。一つは,本研究代表者らが開発してきたレーザー位相差法(LPC)のJETへの適用研究である。同法のヘリオトロンEへの適用結果を基に,JETでの実験の際にポートアクセス,必要レーザーパワーの評価を行った。他方,JET側で既に進めてきた反射計を用いた電子密度揺動の計測法の開発については,解析的研究により,反射点近傍の密度揺動が測定周波数に影響する程度を明らかにした。また,JETに協力してマイクロ波を用いた二点相関法の実験を進めた。 (3)ジャイラトロンを用いた協同トムソン散乱による核反応α粒子の密度およびエネルギー分布関数の測定に関しては,まず本研究代表者らの遠赤外レーザーを用いた協同トムソン散乱の経験を基に,理論面からの寄与を行った。その結果,種々のα粒子エネルギー分布関数に対してS(k,w)スペクトルの評価式を得て,測定精度への検討が行えた。また,測定のSN比に及ぼす影響因子について検討を進めた。実験については,JETに協力して1993年秋からの本格的DT実験に備えた。 以上三課題のほか,ダイバータ域の水素原子密度が重要な被計測量であることがわかり,本研究代表者らが開発した二光子レーザー蛍光法による計測法について,JETへの適用性をました。 以上を要するに,九州大学で開発したレーザー応用プラズマ計測法をJETへ適用して成果を挙げ(項目(1)),将来適用のための検討をして問題点の煮つめを行い(項目(2)およびその他),JET側で進められてきた計画に参加して有用な情報を得るとともに,その準備に寄与し(項目(3)),目的を達したと考えている。これら成果および経験は,国際熱核融合実験炉ITERのレーザー応用プラズマ計測について有用な基礎となるものであり,それを通じて国内の大学関係の核燃焼プラズマ計測について稀有な機会を与えられたものとして感謝している。
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