研究分担者 |
J.CHRISTOPHE ベルギー, ブラッセル自由大学, 教授
J.C.BROWN カナダ, ブリティッシュコロンビア大学, 教授
B.AMIRANOFF フランス, INSERM, 主任研究員
H.LABURTHE フランス, INSERM, 教授
F.LEMBECK オーストリー, グラツ大学, 教授
B.PERNOW ストックホルム, ランスランドステイング, 院長
T.HOKFELT スエーデン, カロリンスカ研究所, 教授
桑原 厚和 岡崎共同研究機構生理研究所, 助手 (60142890)
望月 徹 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (00117780)
星野 稔 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究所, 助教授 (50150058)
矢内原 千鶴子 大阪大学, 医学部, 教授 (00046252)
大塚 正徳 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013801)
CHRISTOPHE Jean Universite Libre de Bruxelles, Professor
AMIRAMOFF Brigitte INSERM in France, Chief Research Associate
LEMBECK Fred University of Gratz, Institute of Pharmacology, Professor
PERNOW Bengt Karolinska Institute, Professor
HOKFELT Tomas Karolinska Institute, Professor
BROWN John C. British Colombia University in Canada, Professor
BROWN J.C. ブリティッシュ, コロンビア大学, 教授
CHRISTOPHE J ブラッセル自由大学, 教授
HOEKFELT T. カロリンスカ研究所, 教授
AMIRANOFF B. INSERM, 主任研究員
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研究概要 |
本研究は,ガラニンのアゴニストおよびアンタゴニストをC端部配列の3種類の異なる動物種由来のガラニンならびにガラニン(1-15)を基本構造として分子設計・合成した誘導体を用い,幼若ラット脊髄標本における単シナプス反射,電気刺激モルモット回腸輪状筋収縮,ラット単離膵灌流系によるグルコース刺激インスリン分泌を指標として検討した。さらにガラニンおよびそれらのC端部配列に類似性が認められるP物質(substanceP)についてそのアゴニストおよびアンタゴニストの開発を行い,特に老人社会に向けて増加が予想されるアルツハイマー病の治療について医薬品の開発を目指す基礎的研究を行った結果,以下のことを明らかにすることができ,国際研究の成果をあげることが出来た。 1.Ac-galanin(2-29)およびgalanin(1-15)-olを基本構造とする種々ガラニン誘導体を分子設計し,[D-Trp^8]-galanin(1-15)-olはアゴニスト,[D-Trp^<8,9>]-galanin(1-15)-olおよび[D-Thr^6,D-Trp^<8,9>]-galanin(1-15)-olはアンタゴニストとしてガラニンによるグルコース刺激インスリン分泌抑制作用に対し,作用することを明らかにした(矢内原昇,望月徹,星野稔)。 2.モルモット回腸平滑筋の電気刺激収縮に対し,ヒト・ガラニン,ラット・ガラニン,およびブタ・ガラニンは、ほぼ同等の抑制作用を示した(桑原厚和)。 3.幼若ラット単離脊髄標本において,上記の3種類の動物由来のガラニンのなかでヒト,ガラニンが最も高活性であった。一方,[D-Thr^6,D-Trp^<8,9>]-galanin(1-15)-olには,アンタゴニスト作用が部分的に認められた(大塚正徳)。 4.ガラニン放出と細胞内Ca^<+2>の相互関係の検討(Brown)および,ガラニンおよび誘導体の明容体認識と細胞内伝達機構の解析を行い(Amiranoff),ガラニンの抑制効果は部分的にcaMP産製の抑制を介することを示した。 5.脳細胞膜および膵B細胞由来の培養細胞系におけるガラニン受容体とガラニン誘導体,とくにgalanin(1-15)の相互作用を検討し,galanin(1-15)が明らかにそれら受容体と反応することを証明した(Laberthe,Amiranoff,Hokfelt
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)。また,神経芽細胞腫NB-OK-1には高密度のPACAP受容体が存在するが,ガラニン受容体は存在しないことを示した(Christophe,星野)。 5.脳細胞膜および膵B細胞由来の培養細胞系におけるガラニン受容体とガラニン誘導体,とくにgalanin(1-15)の相互作用を検討し,galanin(1-15)が明らかにそれら明容体と反応することを証明した(Laberthe,Amiranoff,Hokfelt)。また,神経芽細胞腫NB-OK-1には高密度のPACAP明容体が存在するが,ガラニン受容体は存在しないことを示した(Christophe,星野)。 6.脳には、galanin(1-15)特異受容体が存在し、とくに海馬、線条体にその特異結合部位が局在することを見いだした(矢内原、Hokfelt)。馬,線条体にその特異結合部位が局在することを見いだした(矢内原,Hokfelt)。 7.脳機能改善薬投与ラットにおけるガラニンとVIP免疫活性の脳組織内分布の変化を検討し,とくに視床に顕著な変化を認めた(矢内原千鶴子)。 8.神経組織内分布がきわめて類似しているガラニンとsubstancePの関係を神経生理学的に検討した(Pernow,Lembeck)。 以上の研究成果をベルギー,レーベンで開催された国際消化管ホルモン会議にて発表し,共同研究者と意見交換・討論し,ガラニンに関する今後の研究方針,とくに脳における共同研究展開の基本方針として,受容体レベルおよびアセチルコリン放出とガラニン誘導体の相互作用について,研究を進める必要性を確認した。また,静岡にて開催した国際SubstanceP会議にHokfelt教授,Pernow教授およびLembeck教授を招へいし,神経生理学的に重要なガラニンとsubstancePの相互関係について討論するとともに,下記に示すサテライトシンポジウムを静岡県立大学にて開催し,共同研究の積極的な展開を行うとともに,本研究の目的とするガラニンアゴニストおよびアンタゴニストの設計,合成および解析に関する共同研究の基礎を樹立することができた。 The role of Neuropeptides in Brain and Gut1992 Nov 7th 10:00-16:00University of Shizuoka10:00 K.Uchizono Introduction10:05 S.Nakanixhi Molecular biology of glutamate receptors10:35 B.Pernow Effect of neurokinin on the motor activity in the gut11:05 S.E.Leeman Substance P and imflammatory responses11:35 F.Lembeck The long way of capsaicin14:00 M.Otuka Neruotransmitter function of substance P in the spial cord14:30 T.Hokfelt Galanin receptor in nervous system15:00 S.A.Chepurnov Paradoxical effects of neuropeptides:Ultralow dose′s problem15:30 N.Yanaihara Closing Remark 隠す
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