研究分担者 |
LIIHR H. ブラウンシュバイク大学, 地球物理学気象学研究所, 助教授
SCHLEGEL K. マックスプランク超高層大気研究所, 研究員
CRAVEN J.D. アラスカ大学, 地球物理学研究所, 教授
SLAVIN J.A. 米国航空宇由局, ゴダード宇宙飛翔センター, 研究課長
HOFFMAN R.A. 米国航空宇由局, ゴダード宇宙飛翔センター, 副研究課長
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00132712)
福西 浩 東北大学, 理学部, 教授 (90099937)
寺澤 敏夫 (寺沢 敏夫) 東京大学, 理学部, 教授 (30134662)
亀井 豊永 京都大学, 理学部, 助手
家森 俊彦 京都大学, 理学部, 助教授 (40144315)
荒木 徹 京都大学, 理学部, 教授 (50025433)
SCHLEGEL K. マックスプランク超高層物理学研究所, 研究員
LUHR H. ブラウンシュバイク大学, 助教授
CRAVEN J.D. アラスカ大学, 地球物理学研究所, 教授
SLAVIN J.A. 米国航空宇宙局, ゴダード宇宙飛翔センター, 研究部長
HOFFMAN R.A. 米国航空宇宙局, ゴダード宇宙飛翔センター, 副研究部長
|
研究概要 |
1.これまで観測の空白域となっていた南極大陸の極冠域の超高層現象を総合的に明らかにするために現在米国が中心となって,日本も参加し,南極無人観測所網(AGO)計画を進めている。本年度は,アルゼンチンのバリローチエで開かれた第22回国際南極科学委員会(SCAR)総会の中で,この計画の進め方,得られたデータの共同解析の仕方について詳しい検討を行った。 2.EISCAT磁力計データと京大で収集したデータを用いて,1991年3月24日の磁気嵐に伴う磁気嵐急始部(SC)と地磁気脈動(PC5)の解析を行った。その結果,このSCは,中低緯度昼側で異常に大きくて鋭いパルスをもつ極めて特異なSCであることがわかった。PC5も殆ど同じ周期と位相で全世界的に現われる特異なものであることがわかった。両現象とも今後更に詳しい解析を続けることになった。また,地上の磁場データを用いて,オーロラエレクトロジェット電流の動きを図示する方法を考案し,論文にまとめることになった。 3.ダイナミクス・エクスプローラ(DE)-1による磁場観測データのうち,1982年から1985年まで4年分が京都大学に移送され,処理・解析された。データは一定の形式でプロットし,そのコピーは東海大学及びNASAに配付した。このデータを用いてPC1型地磁気脈動の磁気圏内での特性を詳しく調べ,磁力線沿いに伝搬する際のモード変換について,理論的予想を初めて直接に検証することができた。また,PC5型脈動については,スカンジナビアでの地上観測データと同時観測された例について調べた。 4.DE-2による電場及び磁場データを用いて,電離層ペダーセン電気伝導度を推定し,DE-1により同時に撮像されたオーロラの輝度と比較し,定量的関係を調べた。その結果,地磁気緯度及び地方時により,その関係が異なることが明らかになった。 5.DE-2による中緯度での電場観測データに不規則な変動が存在することを明らかにし,統計的分布及び特性を調べた。その結果,この現象は,赤道上空1500km付近に原因があるらしいこと,また,中緯度で観測される電離層電子密度の沿磁力線不規則構造と関係しているらしいこと等がわかった。 6.DE-2による電場・磁場・降下粒子データを用いて,磁気圏カスプ及びクレフト領域の沿磁力線電流の惑星間空間磁場By成分の効果について調べた。 7.DE-2が磁気圏プラズマポーズ付近で観測した大振巾のPC1型地磁気脈動について,その構造及び電離層電子温度,降下荷電粒子との関係を調べた。その結果,波動の入射領域は,空間的に非常に限られていること,また,波動の振巾及び観測高度と電子温度の上昇には相関があること,波動の入射に伴い,低エネルギー電子が沿磁力線方向に加速されていること等がわかった。 8.DE-1により得られた磁場観測データを用いて,磁気圏サブストーム時の磁場変化およびPi2型地磁気脈動の性質を調べた。この解析は現在も継続中である。 9.DE-2による電場及び電子密度のデータを用いて,磁気圏対流と電子密度変化の関係を調べた。その結果,対流方向の変化と電子密度変化が密接に関係していることがわかった。その原因について現在も継続して解析を行っている。 10.1990年1月28日,DE-1と「あけぼの」衛星とがカスプ領域の低緯度側境界面の磁場構造を,それぞれ22,000kmと5,000kmの高度でほぼ同時に横切り,磁場,電場と粒子の観測をしたことがわかり,多数の研究者と共同解析を行った。解析の結果,観測された磁場構造は,準定常状態にある沿磁力線電流とアルクベン波から構成されたもの解釈できることがわかった。カスプの低緯度側境界面付近では,沿磁力線電流,アルフベン波,イオン加速等の現象が起ることを指摘した。 11.DE-2による磁場,電場,プラズマのデータ,DE-1によるオーロラ画像データを用いて,サブストーム時の電磁力学的パラメータの変化を組織的に解析し,オーロラの発達とこれらの変化との関係について新しい結果が得られた。
|