研究課題/領域番号 |
03044134
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
松平 誠 立教大学, 社会学部, 教授 (50062526)
|
研究分担者 |
シスレル S. CSFR民族, 民俗学研究所, 所員
ウェイネロウ゛ァ R. CSFR民族, 民俗学研究所, 所員
ブロウチェク S. CSFR民族, 民俗学研究所, 所長
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 講師
WEINEROVA Renata Member, Institution of Ethnography& Forklore, Csfr
SISLER Stanislav Member, Institution of Ethnography& Forklore, Csfr
BROUCEK Stanslav Director, Institution of Ethnography& Forklore, Csfr
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
キーワード | 少数民族 / 社会変容 / 生活 / 多文化 / ロマ / 再移民 / 多民族 / 比較文化 |
研究概要 |
本研究は、少数民族問題について、長い間さまざまな対応をせまられてきたチェコ・スロバキア(以下「CSFR」と略称する)国を対象とし、この国が現在直面している社会変容のなかで、あらたにうまれつつある状況について、どのような対応をすすめているのがを実証的に調査し、究極的には、中欧における多文化社会の実態を、比較文化論的に考察することを目指したものである。結論的にいえば、前者については、十分な研究成果を得ることができたし、後者についてもまた、ある程度の足掛かりを掴むことができた、といえる。 本研究は、CSFR国立科学アカデミ-所属民族・民俗学研究所(以下「研究所」と略称する)との国際共同研究であり、研究所との本格的な共同の中で、調査を進めることができた。調査研究にあたっては、日本側と研究所側とが慎重に討議を重ねた結果、つぎの三つの実態調査と一つの関連調査を計画・実施した。 A.CSFRにおけるロマ民族の生活実態とその文化についての実証的研究 B.CSFRにおけるドイツ人少数民族の生活文化とその歴史的過程、その生活実態と政治的施策に関する研究 C.ウクライナ在住チェコ人の本国再移民実態にかんする実証調査 D.A〜Cに関連するCSFRの生活文化にかんする実証的研究 この内、A,B,Dについては、調査を完了した。Cについては、ウクライナ在住チェコ人の本国再移民がいまも続いているが、当初意図した少数民族問題についての知見は、この段階で十分に得ることができた。それぞれの計画の実施経過は、つぎのとおりであった。 第一段階 1991年4〜6月 研究調査準備 手紙・FAX・国際電話により、研究所と情報を交換し、研究所がそれまでに収集した資料や研究成果について、東京で研究会を三回開催した。 第二段階 1991年7〜9月 共同調査実施 松平誠・阿南透がCSFRに出張し、上記A〜Dについて、本格的な共同調査を実施した。この内、Cについては、阿南が主として取り組み、その他については、松平が主として担当した。この間、Cについてさらに十分な調査が必要であると判断し、第四段階として、約10日間の短期補足調査を追加することとした。このための費用としては、使用費目転用許容範囲内で「現地参加旅費」「雑役労務費」等を削減し、これを充当することとした。 第三段階 1991年10〜1992年2月 調査内容検討集約 日本側・CSFR側の検討分担を決め、それぞれが調査内容を検討、集約した。東京では、それまでに収集した資料や調査成果をもとに、研究会を三回開催した。 第四段階 1992年3月 短期補足調査実施 阿南透がCSFRに出張し、上記Cの課題について、両国共同で、短期補足調査を実施した。この結果、Cについても再移民の時間的経過を観察することができ、成果を一層充実することができた。 第五段階 1992年3月 報告書作成 本研究によって、日本が当面しつつある多民族・多文化的状況について、その本質的な知見が得られ、いわゆる民族問題のもつ基本的性格があきらかになった。今後学術論文として逐次発表の予定である。
|