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アジアにおける蒙古系民族の分散と先史文化交流に関する日ロ共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044138
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関大阪医科大学

研究代表者

松本 秀雄  大阪医科大学, 医学部, 学長 (30084809)

研究分担者 ボローニナ V.G.  ウラジオストク国立医科大学, 医学部, 助教授
オシポーバ L.P.  ロシア科学アカデミー, 細胞遺伝学研究所, 上級研究員
ポドマスキン V.V.  ロシア科学アカデミー, 歴史・考古・民族学研究所, 上級研究員
スタルツェフ A.F.  ロシア科学アカデミー, 歴史・考古・民族学研究所, 上級研究員
風間 伸次郎  鳥取大学, 教養部, 講師 (50243374)
鈴木 広一  大阪医科大学, 医学部, 助教授 (60171211)
佐々木 史郎  大阪大学大学院言語文化研究科, 助教授 (70178648)
石本 剛一  三重大学, 医学部, 助教授 (30024673)
荻原 眞子  千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
STARTSEV A.F.  Academy of Sciences of Russia, Institute of History, Archaeology and Ethnology
V P ウィーベ  ロシア科学アカデミー 細胞遺伝学研究所, 研究員
V G ボローニナ  ウラジオストク国立医科大学, 医学部, 助教授
L P オシポーバ  ロシア科学アカデミー 細胞遺伝学研究所, 上級研究員
V V ポドマスキン  ロシア科学アカデミー 歴史, 考古学・民族学研究所, 上級研究員
A L スタルツェフ  ロシア科学アカデミー 歴史, 考古学・民族学研究所, 上級研究員
片山 一道  京都大学, 理学部, 助教授 (70097921)
山口 敏  国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (80000115)
チキシェウ゛ァ T.A.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 研究員
サカ゛ラエフ A.M.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 上級研究員
シュニコフ M.V.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 研究員
ドロズドフ N.I.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・中央シベリア先史生態学研究室, 室長
デレビャンコ A.P.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 所長
ウィーベ V.P.  ロシア科学アカデミー, シベリア支部・細胞遺伝研究所, 研究員
アレクセーエフ V.P.  ロシア科学アカデミー, 考古学研究所, 所長
研究期間 (年度) 1991 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワードウデゲ / Gm / 北方型蒙古系民族 / グヴァシュギ村 / V.アルセ-ニエフ / アムール河中流域 / ナーナイ / ウリチ / オシポーバ / ツンドラ・ネンツイ / フォレスト・ネンツイ / ポドマスキン / スタルツェフ / ウデゲ(へ)族 / 北方研究 / アイヌ / ツング-ス系民族 / ウデヘ / エベンキ / ブリア-ト
研究概要

本年度は、本共同研究の最終年度であり、初年度(1991年)に行ったロシア共和国での現地調査研究をふまえ、より詳細かつ有益な資料を収集するために人類遺伝学、文化人類学のグループともに派遣調査を実施。
まず遺伝人類学のグループでは1993年夏期に、ウラジオストク国立医科大学の協力を得て、蒙古系少数民族のウデゲ族(ツングース系先住民族)を主として採血調査を行った。ウデゲ族は沿海州の烏蘇里江(ウスリ-川)の支流からシホテ・アリン山脈、日本海沿岸に散在する村落に居住しており、今回は、沿海州域北部の日本海に近いアグズ村並びに、烏蘇里江の支流の一つであるビキン川流域のクラスニ・ヤル村を訪れ、同村に居住する他の少数民族ナナイ族等の採血をも行った。前回の採血調査でデータの得られたエベンキ、ブリアート、と今回のウデゲの3つの蒙古系集団について、血清型の一つであるGmをみると、北方型蒙古系民族の標識遺伝子であるGm(ag)の頻度は、1991年に調査したバイカル湖東南部のブリアートでは44%、エベンキおよびウデゲの集団では、いずれも60%に近い値を示している。もう一つの北方型の標識遺伝子であるGm(ab^3st)は、ブリアートが28%と最も高い値を示し、つづいてエベンキ23%、ウデゲ16%となっている。また、南方型蒙古系民族の標識遺伝子であるGm(afb^1b^3)は、ブリアートで14%、エベンキ、ウデゲにおいては8%ないし6%という低い値を示している。つまり調査を行った3つの集団は、基本的には我々日本民族と同じく北方型蒙古系民族に属する集団であるということが明らかにされた。しかしながら、今回の現地調査において、都市部と隔絶された僻地であるアグズ村にあってもロシア人との混血が進んで純粋な血統は失われつつあり、他の少数民族に関する人類遺伝学的研究も早急に行われる必要があると認識した。
文化人類学のグループでは、夏期と冬期の2度にわたってロシアでの現地調査を実施。まず夏期の調査では、前回の現地調査で得られたウデゲ族の資料をより詳細かつ確実なものとするため、ハバロフスクの郷土博物館、ウラジオストクの地理学協会、アルセ-ニエフ博物館にて資料調査を行い、前回に引き続き再度ウデゲ族の居住するグヴァシュギ村を訪れウデゲ族の民族学及び言語調査を行い、これまでのウデゲ族に関する調査研究の成果報告として、ロシア側の共同研究者であるV.V.ポドマスキン氏、A.F.スタルツェフ氏らとV.アルセ-ニエフの採集による「ウデゲ族フォークロア資料」の日本語訳出版、また報告書「ウデゲ民族誌」について協議を行った。
また冬期には、北方諸民族の中でハバロフスク州アムール河中流域に居住するナーナイ語族、及びウリチ語族について、その言語に関する調査、資料収集並びに記述研究を行った。この両言語は、アルタイ諸語言語のツングース語族に属する言語であり、ツングース語族の言語が、過去において日本語と親密な関係を持っていたとの説は常々指摘されるところである。これらの言語を調査研究することは、日本語・日本文化の基層を明らかにすることにつながるものであるが、これらの言語の資料は、ロシアの研究者によるものが過去に数点発表されているのみで決定的に不足しており、その研究も十分に進められているとは言えない。今回の実地調査では、こうした言語の貴重な資料、具体的には民話・伝説などの言語資料を多数集めることが出来たと言える。これらの資料は、音声のみにとどまらず、インフォーマント(言語資料提供者・言語話者)自身による内省に基づく分析を行ったので、言語学的にも非常に精度の高いものとなった。またこうした資料に基づく文法を作成し、民族学的にも重要な語彙も集成しつつある。特に文法は、ロシアの記述にみられるような古い文法の枠組みを脱し、最新の文法理論によった記述分析を目指している。しかしながら、これらの言語話者人口の減少は著しく、少数民族の言語文化の記録が急務であることはいうまでもなく、今回の現地調査での成果はこれに十分応えうる貴重なものと思われる。

報告書

(3件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 1992 実績報告書
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (18件)

  • [文献書誌] 北海道大学文学部 言語学研究室(風間伸次郎): "ナーナイ語の「一致」について" 北大言語学研究報告 第5号. (1994年発表予定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] V.V.ポドマスキン、A.F.スタルツェフ、荻原眞子、佐々木史郎、風間伸次郎: "ウデゲ民族誌(仮題)" (1995年発表予定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 佐々木 史郎: "歴史資料からみたウデゲ族(仮題)" 民族学研究. (1995年発表予定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荻原 眞子: "ウデゲ民族学の課題" 民族学研究. (1995年発表予定).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 風間 伸次郎: "「ナーナイ語テキスト」ツングース言語文化論集4" 小樽商科大学言語センター, (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 風間 伸次郎: "「ナーナイ語テキスト2」ツングース言語文化論集5" 小樽商科大学言語センター(1994年出版予定),

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荻原眞子、佐々木史郎、風間伸次郎: "〈翻訳出版〉ウデゲ族のフォークロア(仮題)" (1995年出版予定),

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Department of Linguistics, Faculty of Letters, Hokkaido University (S.Kazama): ""On the So-called Agreement in Nanay" *planned in 1994" Hokkaido University Publications in Linguistics No.5.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] V.V.Podimaskin, A.F.Startsev, S.Ogihara, S.Sasaki, S.Kazama: ""Ethnological Study of the Udeghe"" (planned in 1995).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Sasaki: ""Historical Materials reffering to the Udeghe"" Minzokugaku Kenkyu. (planned in 1955).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Ogihara: ""Problems in ethnological study of the Udeghe"" Minzokugaku Kenkyu. (planned in 1955).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Kazama: Center for Language Studies Otaru University of Commerce. "Nanay Texts" publications on Tungus Languages and Cultures 4, (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Kazama: Center for Language Studies Otaru University of Commerce. "Nanay Texts 2" publications on Tungus Languages and Cultures 5, (*planned in 1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Ogihara, S.Sasaki, S.Kazama: Folklore of the Udeghe (translation), (*planned in 1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] V.ポドマスキン,A.スタルツェフ: "「アイヌの現状の博物館資料」(仮題)" Etnograficheskoe Obozrenie (民族学展望) ※1993年12月.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 佐々木,史郎: "「歴史資料からみたウデゲ族」" 民族学研究 ※1994年.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原,眞子: "「アルセーニエフとウデゲ研究」" 民族学研究 ※1993年.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 荻原,眞子: "「ウデゲ族の口頭伝承」" 国立民族学博物館研究報告 ※1993年.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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