研究分担者 |
V SIMCIC レンセラー工科大学, 助手
S ACETO レンセラー工科大学, 助手
A OUROUA レンセラー工科大学, 助手
J.J ZIELINSK レンセラー工科大学, 助手
P.M SCHOCH レンセラー工科大学, 助教授
T.P CROWLEY レンセラー工科大学, 教授
K.A CONNOR レンセラー工科大学, 教授
R.L HICKOK レンセラー工科大学, 教授
岡田 浩之 京都大学ヘリオトロン核融合研究センター, 助手 (50169116)
藤沢 彰英 核融合科学研究所, 助手 (60222262)
井口 春和 核融合科学研究所, 助教授 (40115522)
笹尾 真実子 核融合科学研究所, 助教授 (00144171)
藤田 順治 核融合科学研究所, 教授 (50023700)
OKADA H Plasma Physics Laboratory, Kyoto University
IGUCHI H National Institute for Fusion Science
FUJITA J National Institute for Fusion Science
SASAO M National Institute for Fusion Science
OUROUA A Rensselaer Polytechnic Institute
SIMSIC V Rensselaer Polytechnic Institute
ACETO S Rensselaer Polytechnic Institute
OUROUA A. レンセラー工科大学, 助手
ACETO S. レンセラー工科大学, 助手
ZIELINSKI J. レンセラー工科大学, 助手
SIMCIC V. レンセラー工科大学, 助手
SCHOCH P.M. レンセラー工科大学, 助手
CROWLEY T.P. レンセラー工科大学, 教授
CONNOR K.A. レンセラー工科大学, 教授
HICKOK R.L. レンセラー工科大学, 教授
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研究概要 |
当共同研究計画は,大型ヘリカル装置のための6MeV重イオンビームプローブを開発することを最終目的として,その設計の基礎を作ることにあった。その課題は次の三つに要約できる。 (1)6MeVでリップルの少ないビーム加速方式の設計 (2)完全三次元軌道をとるビームの制御方式の設計 (3)エネルギー分解能ΔE/E<10^<-5>をもつ分析器の設計以下に項目毎に,2年間の共同研究を通じて得られた具体的な実績についてまとめる。 1. ビーム加速方式について これまでの重イオンビームプロープ(HIBP)では,熱放出型アルカリイオン源とシングルエンド加速器を用いる方法が採用されてきた。米国のTEXTトコマクではこの方式による2MeVのビームラインがすでに完成し,試験が行なわれている。しかしながら,レンセラー工科大学のグループの協力により,2MeVのシステムの詳細な資料を検討下結果,6MeVのシングルエンド方式は非常に大きく,実験室での配置がかなり困難であることがわかった。そので,よりコンパクトな,負イオン源とタンデム加速器を用いる方法を検討し,これを採用することにした。これは,エネルギー広がり10eV以下の金の負イオン源の開発のメドが立ったこと,電源の昇圧方式として,JIPPT-IIUトコマクの500keV HIBPで採用したシェンケル型を用いることによって,リップルを10^<-5>以下に押さえることが可能であること,がその根拠である。プラズマ中の揺となるので,タンデム加速器の高圧部に熱放出型タリウムイオン源を搭載する設計を検討している。一方,金イオンのプラズマ中での減衰がタリウムイオンより大きいことが予測されており,プラズマ中を通過する軌道が長いヘリカル系では,観測可能なプラズマ密度限界が下がるというデメリットがあるので実験的な確認が必要である。 2. 三次元ビーム軌道の制御方式について ヘリカル型磁場配位ではビームの軌道が完全に三次元となり,プラズマ断面にわたって二次元分布測定をする時の,測定精度が著しく損なわれる可能性がある。レンセラー工科大学のグループは,米国のATFトルサトロン装置で,中性ガスによるビームのイオン化反応(ガス散乱)を用いて分析器を較正する方式を取り入れ大きな成果を得た。しかし,エネルギー分析器の配置については従来の方式を取っているので,プラズマの観測領域が限られること,洩れ磁場の影響を受けること等の困難に直面している。我々は,CHS装置で200Kev HIBPを建設し,この中で分析器側にも掃引電極を入れ,二次ビームの軌道も含めて制御する方式を採用した。これによって,上記の問題がほぼ解決されると予想される。しかし,ビームの軌道制御は格段に難しくなるので,計算機による制御が必要である。 3. エネルギー分析器の設計について 従来,HIBPでは30゚入射型平行平板エネルギー分析器が利用されてきたが,電極電圧が高く,ガードリングと呼ばれる多段電極に入る紫外光の影響で電位分布が揺らぐことなど,いくつかのデメリットもあった。我々はこの共同研究を通して,ガードリングを用いない新型の分析器を開発し,JIPPT-IIUの500Kev HIBPを用いてその有効性を実証した。一方,トコマク装置でも,プラズマ電流によるポロイダル磁場の影響でビーム軌道がトロイダル方向ではエネルギー分析器の前面に掃引電極を置き,二次ビームを高速に掃引することで自動的に誤差除去ができることを示した。しかし,LHDの6Mev HIBPにこの方式を直接適用するには,1MeV以上の高圧をかけねばならず,現実的でない。このため,新しい方式を模索している段階である。例えば,入射角度を15゚程度に下げて印加電圧を下げる,減速管を用いて二次ビームのエネルギーを下げる,円筒型エネルギー分析器で印加電圧を下げる等の検討を進めているが,詳細は今後の課題として残されている。
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