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硬骨魚類の遺伝・育種・繁殖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044171
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

山田 寿郎  北海道大学, 水産学部, 教授 (60001575)

研究分担者 朴 弘陽  建国大学, 動物科学部, 教授
鳥居 茂樹  北海道立栽培漁業総合センター, 部長
山羽 悦郎  北海道大学, 水産学部, 助手 (60191376)
清水 幹博  北海道大学, 水産学部, 講師 (80002088)
麦谷 泰雄  北海道大学, 水産学部, 助教授 (50001615)
山崎 文雄  北海道大学, 水産学部, 教授 (60001608)
PARK Hong-Yang  Professor, Animal Resources Res. Center Kon-Kuk Univ.
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード魚類増養殖 / 遺伝育種 / サクラマス / ヒラメ / アイソザイム / 韓国水産研究機関
研究概要

本共同研究は日韓両国の研究者の相互訪問により、硬骨魚類について以下の研究項目の実施を目的として計画された。1)アイソザイム多型、mtDNA,cDNA切断多型の利用による個体識別と集団解析。2)肝細胞培養系および血清微量分析による卵黄形成過程とその機序の解明。3)サクラマス幼魚の海水適応能の遺伝性および海水飼育に適する新系統の作出。4)凍結精子の利用による交雑とその育種への応用。5)日韓両国の在来変異種からの新品種育成。適種の選定のための標本の採集および今後の実施計画検討のため、山田・鳥居・権のよる訪韓調査旅行を92年2月22日より3月2日までの10日間にわたり行った。主な訪問先における視察、調査等の結果を以下に述べる。
1.建国大学校動物資源研究センタ-(ソウル市)
建国大学校は畜産学部を主体とする私立大学であるが、同センタ-は有用動物を対象とする先端的研究の推進を目的として、国費により全国にニヶ所設立された共同利用研究機関の一つで研究設備はよく整っている。パ-トナ-の朴弘陽教授は遺伝育種を専攻し、ニジマス、ティラピアその他の淡水魚を対象としてmtDNAによる系統判別、凍結精子の保存の研究をすすめている。訪韓班は日程の過半を同センタ-に滞在し、セミナ-、文献調査、討論を行い今後の協力研究計画を検討した。施設、備品、飼育種等の点で研究項目1)、2)、4)については同センタ-での実施が可能であるが、海産魚の入手や飼育については他の研究機関の協力を必要とするとの結論を得た。
2.韓国海洋研究所(安山市)
ソウル市の西南の黄海に面する入江の奥に位置し、海洋の物理、化学、生物、地学に関する基盤と応用の海洋科学の総合研究所である。生物関係では4部門がありMarine BiotechnologyとAquacultureの2研究室を視察した。前者ではギンザケの染色体操作の研究を行っており海水飼育施も整っている。ソウルに近いことから海産魚を材料とする研究においては必要に応じ海水飼育施設の利用価値が高いと思われた。
3.釜山水産大学校(釜山市)
韓国における水産学の教育研究の中心として有名であり、養殖学科では効率的な淡水循環池を備え魚類養殖技術研究の活性は高いが先端技術を導入した基礎研究は進んでいない。釜山周辺の海面はヒラメ、マダイ、トラフグ、クロソイ等の海産魚の養殖が盛んで、本校の卒業生を通じ材料魚を入手することが可能である。
4.国立水産振興院(慶尚南道侍郎里)
釜山市の北方約40キロの日本海岸にあり、水産研究を統括する最高機関で、全国に展開する12の水産研究所(うち3は内水面)をもつ。施設は最新広大で増殖部門には立派な淡水海水飼育施設があり、遺伝育種を含む広範な増殖技術の研究開発が行われている。日程的に訪問の機会を得なかったが、研究項目3)のサクラマスに関わる研究には付属内水面研究所の協力が不可欠と思われる。
5.始原水産ヒラメ養殖場(慶尚北道甘浦)
韓国東南部海岸には多数の民間養魚場があり、主としてヒラメの養殖を行っている。本養魚場もその一つで種苗から出荷サイズまでの養成を陸上池で行っている。ここで魚のアイソザイム分析のため血液を採取し、分離した血清を凍結して持ち帰った。
本共同研究の提案は韓国側の主導でなされ、韓国での研究条件に関する情報は明らかでなかった。今回の視察により、建国大学校動物資源研究センタ-を拠点とし他研究機関の協力を得て、計画研究項目の遂行が可能であるとの見通しを得ることができた。韓国における魚類の増養殖はほぼ日本と同様の技術水準で行われている。しかし、今後さらに品種の改良、病害対策等のためには遺伝学的、生理学的基礎研究体制の充実の必要性が痛感されている。本共同研究はその意味において韓国側に期待されていると同時に、日本側においても、遺伝的資源の共同利用の可能性を広げる点で魚類増養殖の技術開発に益するところが大きいと判断される。持ち帰った試料の分析については帰国後まだ日が浅く結果を得るに至っていない。

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hai-Uu LI and Juro,Yamada: "Effects Different Salinities on the Growth,Food Intake and Nutrient Composition in Underyearling Masu Salmon,Oncorhynchus masou (B.)" Bulletin of the Faculty of Fisheries,Hokkaido University. 43. 33-41 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Boehlert,W.G.,M.Kusakari and J.Yamada: "Oxygen consumption of geststing females Sebastes schlegeli:estimating the reproductive costs of livebearing." Envir.Biol.fish.30. 81-89 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Yamada and M.Kusakari: "Staging and the time course of embryonic development in kurosoi,Sebastes schlegeli." Envir.Biol.fish.30. 103-110 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Shimizu.,M.Kusakari.,M.M.Yoklavich.,G.W.Boehlert and J.Yamada: "Ultrastructure of the epidermis and digestive tract in Sebastes embryos,with special re-ference ti the uptake of exogenous nutrients." Envir.Biol.fish.30. 155-163 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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